クラウンシリーズ随一!ドライバーがその気になったときの切れ味こそがクラウンスポーツの真骨頂だ
これまでにない迫力のボディを持つクラウンスポーツ。4車型のクラウンシリーズでもっともエモーショナルなモデルである。スポーツの名を冠したモデル名に相応しい走りの持ち主か、ジャーナリスト瀬在仁志がチェックした。 TEXT:瀬在仁志(SEZAI Hitoshi)PHOTO:山上博也(YAMAGAMI Hiroya)
スーツを脱ぐとスゴイんです
クラウンスポーツのデザインを見て、この日(試乗会)がくることを楽しみにしていた。躍動感溢れるボディフォルムは、今にもはじけ飛ぶような勢いがあるし、何より今までのお堅いクラウンのイメージとは正反対。背が高く、丸みを持ち、力強く、目つきも鋭い。スーツを脱ぐとスゴイんです。と、私生活の飛びっぷりを思わせる“できるビジネスパーマン”のよう。 普通ならさっさと乗り込むところだが、このクルマに関しては、1周ぐるりと眺めて乗り込んだ。リヤフェンダー周りのボリューム感は写真で見た以上にモリモリとしているし、フロントへ流れるラインやリヤエンドにつながる丸みも、デザインシロートの自分ではあるが、思わず頷いてしまった。 全長×全幅×全高:4720mm×1880mm×1565mm ホイールベース:2770mm トレッド:F1605mm/R1615mm 最低地上高:160mm 試乗後に、乗り味の観点からもっとホイールベースが長い方が安定感が増すんじゃないかなどと、生意気な意見を言ってしまったが、惚れ惚れするボディフォルムは、このパッケージングだから成立したに違いない。デザインシロートぶりがばれてしまった。 そんな、こだわりのデザインを持つパッケージングは、街中でもよく見かけるようになったクラウンクロスオーバーと比較してみると、全長で210mm短く、全幅で40mm広く25mm背が高い。前後をグッと縮めて、逆に左右にガバッと拡げ、背を高くしているのだから、筋肉質な短距離ランナーのスタートシーンのような迫力。センスのない自分なりに飛び出すような勢いを感じるのは間違いない。