「Haruka Murooka」4月に待望のお店がOPEN。新しい時代を紡ぐ女性パティシエールが魅せる「デザートコース」
このお店を背負うスペシャリテ「水カカオ」のグラスデザートの凄み
「コースの定番にしようと思っているメニューがある」そう話す室岡さん。続いて出されたグラスデザートが、そのうちの一つになるそう。「水カカオ」と名付けたメニューで、お水のように飲めるチョコレートをイメージして表現されたグラスデザート。カカオを水で伸ばし作るアイスは最近注目の手法で、カカオが持つ苦味、酸味、コク、香りを感じながら重たくなく、すっと口の中で消えていくのが特徴。寒天で固めたカカオのお出汁と、水とカカオで作ったアイス、そして食感とコクのジャブを打ってくれるコーヒーは、コロンビア産深煎りコーヒーのグラニテ。中目黒のカフェファソンさんの豆を使用するなど、室岡さんの徹底した素材選びのこだわりを感じます。仕上げは丸い甘みと香りを感じられるカカオの泡と極薄のチュイール。これ以外にも、季節によってメインのデザートをパフェにするという。“水カカオとパフェ”この2つがこのお店の主役になるそう。
王道でありながらひと手間かけたスフレ、ヴァシュランがメインディッシュに
そろそろまた温かいものが食べたい、そう思ったタイミングで登場したのはスフレ。丸ごとせとかを器にして焼き上げられたスフレは、実は薫時代の室岡さんのスペシャリテ的メニュー。くり抜いた果汁でアングレーズ(カスタード風味のソース)を作り、メレンゲと合わせて焼き上げています。食べてみると上の部分はよく焼けていてふわふわ、中の器の部分は果汁がじゅわっと合わさり、トロトロ食感に。キャラメルソースを途中で入れることで、口の中でクレープシュゼットになるという。そしてデザートコースの定番でもある、ヴァシュランは季節の苺をふんだんに使用。苺は品評会でも金賞を獲得した埼玉県産のあまりん、そしてとちおとめの2種類を組み合わせに。アイスもこの2つをブレンドし、甘みが強いあまりんだけではなく、とちおとめの苺らしい酸味や香り、さっぱりした後味を合わせることで苺の持つ本来の美味しさをしっかり引き出します。苺に合わせるのはピスタチオのセミフレッドアイスクリームに、ローストしたピスタチオにフロマージュブランを合わせ、苺に合うようにレモンの酸味を加えてバランスを取ります。そしてメインディッシュも終わったところで、ここで出てきたにはまさかの「チュロス」。着想は室岡さんが大好きという、TOHOシネマズのチュロスから。その味が大好きで、チュロスをシナモンシュガーでシンプルに仕立てています。揚げたてで中はトロッと。そして盛り付けたお皿は、Tetsuya Hirota氏の作品。器と作家さんが好きな、室岡さんのセンスと世界観が広がります。そこに器があれば、デザートが生き生きとするかのように…。最後に、とってもかわいらしいサイズ感のお茶菓子が。苺とカスタードクリームを合わせたミニマカロンと、焼き芋にしたさつまいも「紅はるか」のモンブラン。こちらも室岡さんがお茶菓子として、定番に出していた組み合わせです。