声優・井上和彦 70歳 『美味しんぼ』山岡士郎役でつかんだ演技のコツ「あっ、これはもしかしたら…」
■『名探偵コナン』の白鳥警部役 “2代目”としての悩み
井上さんは『名探偵コナン』に登場する警部、白鳥任三郎も長年演じています。井上さんは2代目の声優で、それ故に困ったこともあったそうです。 ――白鳥警部は井上さんにとってどんなキャラクターですか? (初代は)塩沢兼人さんという方がやっていらして、僕はその前の年まで劇場版で犯人やっているんですよね。初めはすごく困りましたね。“どうしようかなあ”と思って。白鳥警部が最初に出てきたのは、劇場版の、もしかしたらちょっと犯人っぽくみえるような感じで出られていて、ちょっと怪しい部分がみえていたんですけども、実はそう(犯人)じゃなかったというふうになって。その話を聞いて、“じゃあその怪しいところがなくてもいいのかな”と思って、あまり意識をせずに自分なりの白鳥でやらせてもらおうと思って。初めはもしかしたら違和感があるかもしれないですけど、長いことやっていれば、『井上の演じる白鳥』になるんじゃないかなと。 最初はちょっと背後に塩沢兼人さんがいましたね。すっかりいなくなったのは、(演じて)10年を超えたときに。「あ、僕は兼人より長く白鳥をやらせてもらったぞ」という意識になってから変わりましたね。
■今後の目標は「長生きして…」
声優デビュー50周年、そして70歳を迎えた井上さん。これからも声優として活動を続けていく中でどういった目標があるのでしょうか。 ――今後の目標を教えてください 今後の目標ですか? 長生きしたいですね(笑)。長生きして、ちょっとでもたくさんの作品に関わって、いいお芝居を残せるように頑張っていきたいと思います。 役については、「あの役やりたい」「この役やりたい」って大概の役をやらせていただいたので、特に「この役をやりたい」というのはないんですけど、皆さんの心に残るお芝居を提供できればいいかなと思っています。