【マーメイドS】3連単193万馬券を呼び込んだトーホウシャイン 波乱含みの牝馬重賞を「記録」で振り返る
ノーザンファーム生産馬が7勝と最多勝も2016年がラストの勝利
波乱含みの重賞ではあるが、生産牧場別で勝利数を見ると1位がノーザンファームの7勝、2位が社台ファームの6勝、3位が下河辺牧場の2勝と大手牧場が占める。ノーザンファームは上述のアドマイヤグルーヴ、グルヴェイグに加え、フサイチエアデールやローズバド、ディアデラマドレと良血馬がズラリと並ぶ。直近の勝利は2016年リラヴァティとやや遡るが、同馬もオークス馬シンハライトの半姉という良血馬である。 2位の社台ファームは第1回マーメイドSの勝ち馬シャイニンレーサーを輩出。続く第2回をエアグルーヴで制するなど、黎明期から活躍を続けてきた。直近の勝利は2021年のシャムロックヒル。こちらは前走の条件戦14着からの逆転劇で、斤量50キロを生かしたマーメイドSの醍醐味と言える勝利だった。3位下河辺牧場の2勝はロンドンブリッジの娘であるダイワエルシエーロ、ロンドンブリッジの孫娘であるビッグリボンで、血統の強さを見せる勝利といえる。 種牡馬成績では、サンデーサイレンス産駒が4勝、ディープインパクト産駒3勝と父子でワンツー。そこに2勝のキングカメハメハ産駒、ステイゴールド産駒が続く。今年はディープインパクト産駒ならジュリアバローズ(除外対象)、キングカメハメハ産駒ならエリカヴィータ、タガノパッションが登録している。ほか、ロードカナロア、ドゥラメンテ、エピファネイアの産駒は未勝利で、母父としてはTapitが3戦2勝と勢いがある。牝系や種牡馬で、今後新たな“マーメイドS血統”は出現するのだろうか。 ライタープロフィール 緒方きしん 競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
緒方きしん