〈台風19号〉暴風被害で停電中に洪水の恐れも 1都6県に大雨特別警報発表
大型で非常に強い台風19号の影響で、関東甲信地方や東海地方では、これまでに経験したことがないような記録的な大雨となっているとして、気象庁は12日午後3時半、東京、神奈川、埼玉、群馬、山梨、静岡、長野の1都6県に大雨特別警報を発表した。 【図】気象庁「危険度分布」土砂災害、浸水害、洪水、雨の様子
大雨特別警報は、すでに災害が発生していることを示す警戒レベル5に相当する情報で、自治体が発表する避難勧告や避難指示(緊急)のレベルを遥かに超えた段階だ。実際、東京都町田市は午後4時半、同市相原町で土砂崩れが発生したとして、警戒レベル5(災害発生情報)を発令している。 大雨特別警報を含む気象等特別警報はこれまで10事例12回発表されていて、今回が13回目。東京を含む南関東で気象等特別警報が発表されるのは、2013年8月の運用開始以来初めてのこととなる。人口が集中する地域だけに、被害の拡大が懸念される。 今回、非常に激しい雨が降り続いているため、台風19号が接近、上陸するよりかなり前の段階で発表された。このため、今後、台風19号が特別警報が発表されている地域に接近、上陸、通過することになる。暴風によって、先月の千葉のように電柱などがなぎ倒され、停電するようなことも考えられる。停電状態になれば、雨が降り続けて洪水の危険性が一層高まったとしても、その情報を住民が手に入れることができないケースも生じてしまう可能性があることにも注意したい。 大雨特別警報の発表について、午後4時半から記者会見した気象庁の梶原靖司・予報課長は「予想では、台風は午後6時頃に伊豆半島を上陸、または通過した後、午後9時頃に東京を通過する見込み。風雨はこれからさらに強まることも考えられるので、厳重な警戒が必要だ」と話している。
新たに5つの県に発表、その後岩手県にも
気象庁は午後7時50分ごろ、茨城、栃木、新潟、福島、宮城県にも大雨特別警報を発表。これで、12都県に特別警報が出た。平成最悪の豪雨災害となった2018年7月の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)の11府県を上回り、1事例で特別警報が出た都道府県数としては過去最多となった。 その後、静岡、東京、神奈川などの大雨特別警報は順次解除されていったが、気象庁は13日未明、新たに岩手県に大雨特別警報を発表。台風19号の接近、通過に伴い大雨特別警報が出された都道府県数は13都県となった。