【インド】富山県がインドで観光誘致、認知度向上へ
富山県は23日、インド人観光客のさらなる誘致に向け、首都ニューデリーで現地の旅行代理店向けにセミナーを開催した。富山県の新田八朗知事も訪れ、「富山の豊かな自然や食を体験してほしい」と呼びかけた。インドで日本観光の需要が徐々に伸びる中、認知度向上と訪日客の取り込みを目指す。 現地の旅行代理店33社から50人が訪れた。プレゼンでは、北アルプスを貫く山岳観光ルートの立山黒部アルペンルートや観光放水で知られる黒部ダムのほか、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産にも登録されている五箇山の合掌造り集落といった観光名所などを紹介した。 新田知事は、NNAの取材に対し、「県内の企業からインド人観光客の誘致に関心が高まっている」と説明。「タイや台湾、香港、中国に続くインド人の集客に向け、これから本格的に(誘致拡大へ)道筋をつけていきたい」と述べた。 参加した地場の旅行代理店の経営者は、「インド人観光客はいつも新しい場所や経験を求めている。これまで富山県のことは知らなかったが、商品として組み込むポテンシャルがある」と話した。一方、別の参加者からは、「富山県の魅力は伝わったが、1週間余りの旅行ではどうしても東京や大阪、広島などが注目される。渡航先の選択肢になるためには、富山県の認知度向上が大事だ」と述べた。 ■観光客入込数は増加傾向 日本政府観光局(JNTO)によると、2024年1~11月に日本を訪れたインド人旅行者数は累計で初の20万人を超えた。インド人の訪日需要に期待が高まる中、富山県の地方創生局観光振興室によると、同県の23年の観光客入込総数(延べ数)は約3,891万7,000人と、前年比13.8%増えた。また、観光庁の調査に基づく同年の富山県の延べ宿泊者数は393万4,000人で、前年比28.2%拡大。そのうち外国人の延べ宿泊者数は23万6,000人と、前年比5.6倍超に大きく伸びている。