「時は来た」 ハクトウワシが米国の国鳥に 日本はキジ、中国は「日本絡み」のツルにNO
1776年の独立宣言から248年。紙幣にも描かれているハクトウワシが正式に米国の国鳥になることが決まった。24日にバイデン大統領が法案に署名した。法的根拠を与えた形だが、日本はどうか? 「日本忌避」から採用が進まない隣国事情など「鳥ビア」を紹介する。 【写真】中国が設置したロープを切断するフィリピン沿岸警備隊の隊員 北米原産のハクトウワシは1782年6月の大陸会議で国璽(こくじ)に採用されて以降、事実上の「国鳥」の地位にあったが、慣習に留まり、法的根拠はなかった。 今年6月、米上院は民主、共和の超党派で法案を提出。7月に全会一致で上院を通過し、今月に入り下院が可決していた。米国立イーグルセンターの幹部は「公式な国鳥として正当な地位を得るときが来た」と意義を強調している。 米政治紙「ザ・ヒル」によると、ハクトウワシの国鳥の地位に関しての条項では、国歌として「星条旗」、国家標語に「神を信じる」を定めているほか、国花にバラ、国樹にオークの木を定めている。 ■中国、ネット投票実施も… 一方、日本の「国鳥」は1984年発行の1万円札裏面にも採用されたキジだ。国内各地に分布する固有種で、童話「桃太郎」に登場するなどなじみが深い。オスは羽が美しく勇敢、メスは火が迫っても卵を守るといった習性も加味されたとされるが、47年に日本鳥学会が選定した形で法的根拠はない。 そんな「日本」が理由で選定が難航したのが中国だ。 中国では2003年、国家林業局と中国野生動物保護協会が選定作業を始め、04年にネット投票を実施。約500万票が投じられ、約65%を集めたタンチョウがトップだった。聖なる存在で長寿のシンボルであることから票を集めたが、学名が分かると反対論が加速した。 タンチョウの学名は「Grus japonensis」。「日本のツル」という意味で、同国の有識者からは「学名を変えさせろ」という声も上がったが、一国の事情で名称変更になることはなく、あえなく頓挫した。 ちなみに投票の2位はトキ。学名は「Nipponia nippon」で、国鳥への「繰り上げ当選」は当然されなかった。