キャベツの価格が高騰 トンカツ店の「おかわり」、どうなる?
野菜の価格高騰が続いている。 農林水産省が7日に発表した食品価格動向調査(2024年12月23~25日、全国平均)によると、野菜は対象全8品目が平年を上回り、なかでもキャベツは1キロ当たり453円で平年比3・36倍と突出している。 その他は、レタスが993円で同2・38倍、白菜が269円で同1・95倍などとなった。 調査は全国の量販店470店舗で行った。 価格上昇は夏の高温と10月の天候不順、12月の低温と少雨が影響し、小玉傾向になっていることが背景にあるという。 同省園芸作物課によると、当面は高値傾向で推移する見込みだ。 冬と春キャベツの主要産地、愛知県のJAあいち経済連の担当者は「24年産は天候不順で玉が育たず、数を収穫しても(一つ10キロの)ケースの単位では伸びなかった。出荷量は前年比でおよそ4割減と厳しかった。今年に入って雨が少し降ったのは幸いだが、生育条件は依然厳しい」と話す。 キャベツといえば、トンカツのお供。東京都千代田区のチェーンのトンカツ店関係者は「キャベツはグループ全体で生産農家と直接契約をしているので、影響は最小限になっています。ただ、全ての食材が値上がりしているので、全体の金額を抑えるためにキャベツのおかわりし放題は中止しています」と厳しい表情だ。 一方で、品川区にある個人経営のトンカツ店関係者は「キャベツの仕入れ値が経営を圧迫して苦しいのですが、喜んでくれるお客さんのことを思うと今まで通りに『おかわり自由』を続けます」と話す。 SNS(ネット交流サービス)にも、キャベツ高騰の話題があふれる。 「これが適正価格。農家が今後も生産を続けていくために、この値段が世間に受容されていくと助かります」 「世間は農家の方に怒っているわけではなく、500円のキャベツを普通に買えないような賃金に怒っている」 「賃金というより、給料や年金から天引きされる税金や保険料の高さに怒っている」 「キャベツ論争」は当面続きそうだ。【山崎明子】