美空ひばりから「お兄ちゃん、うちに遊びに来て」 昭和のスタア「宝田明さん」が生前に語った華麗なる交遊録…江利チエミが恋に落ちた高倉健の“仮病”
恋する高倉健が使った仮病
これも人から聞いた後日談ですが、チエミのところに東映から「高倉さんが入院しているので見舞いに行ってもらえませんか」と電話があったそうです。それで病室にお兄さんと入ったら、「人払いをお願いします」と言われて、お兄さんが病室の外に出た。 すると高倉さんがガバッと起きだして、「実はあなたにお会いしたくて仮病を使いました」と言われたそうです。チエミは「そこまで思ってくれていたのか」と。それで恋に落ちてしまったのです。 《しかし、昭和46(1971)年に離婚。頼りにしていた兄も亡くし、チエミは孤独になった。57年、独り住まいのマンションで脳卒中を起こして倒れ、胃から戻した食物を喉に詰まらせて窒息死する。享年45》 ひばりとチエミと3人でよく飲んでいた頃、ウイスキーでもブランデーでも、牛乳で割って飲むことが僕らの間で流行していた。あんなにスムーズに喉を通るものはありませんよ。それでチエミが亡くなったときに、清川虹子から「お宝さん、来て! チエミが死んだの」と電話があった。マンションに行ってみたら、遺体の前に、濁った牛乳が残ったグラスが置いてあった。牛乳割りを作って飲んで、パタッと逝ってしまったのです。 *** 宝田さんが共演した女優たちの中には、司葉子さんやユー・ミン(尤敏)さんなど恋愛関係を噂された相手もいた。第2回【「司葉子」や「香港のトップ女優」ともロマンスが噂され…永遠の二枚目「宝田明」さんが演技力の凄さに感嘆した「一番の女優」とは】では、彼女たちとの「本当の仲」や、最も演技が凄いと感心した女優について語っている。
デイリー新潮編集部
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