体調不良 救急車呼ぶか様子みるか 判断迷ったら電話「#7119」 医師が願う救急医療の正しい利用
[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1350) 家族や自身の体調が悪くなったとき、すぐに救急受診するべきか、救急車を呼ぶべきか、迷ったことはないでしょうか。特に症状が軽い場合は悩むことも多いでしょう。 【写真】医師の働き方改革を提言する研究員 救急外来で働いていると、時折「これはかかりつけ医に相談した方がよかったのではないか」と感じるケースがあります。症状が軽い場合や、慢性的な症状については、まずかかりつけ医に相談することをお勧めします。 かかりつけ医は日頃の健康状態を把握しているため、適切なアドバイスを得やすく、不要な救急受診を避けることができます。 一方で、「もう少し早く救急外来を受診した方がよかったのではないか」「救急車を呼んだ方がよかった」と感じることもあります。迷ったときは、電話相談窓口「救急安心センター事業(#7119)」に相談してみてください。県内では9月から導入されており、専門家からアドバイスを受けることができます。 すぐに救急車を呼ぶべき症状もあります。例えば、「突然の激しい頭痛」「冷や汗を伴う強い胸の痛み」「突然ろれつが回りにくくなった」「突然片方の腕や脚に力が入らなくなった」などです。 これらは脳卒中や心筋梗塞といった、命に関わる病気の可能性があり、迅速な対応が必要です。こうした症状が現れた際は、一刻を争う状況ですので、迷わず救急車を呼び、適切な検査・治療を受けましょう。 近年、救急車の搬送件数は増えており、特に高齢者の増加に伴って今後もこの傾向は続くと考えられます。不要な救急受診は、本当に必要な患者の対応が遅れる原因となり、命に関わるリスクを招く可能性があります。 また、救急医療への負担が増し、医療提供体制の維持が困難となる恐れもあります。不要な救急受診を避け、必要なときには迅速に行動を。救急医療を正しく利用することを切に願います。(武村克哉、琉球大学病院救急外来=西原町)