【プレミア12】侍史上最大のアウェー 台湾の爆音応援は「会話不能」「パチンコ店以上」の約90デシベル
侍ジャパンが16日の「プレミア12」台湾戦(台北ドーム)に3―1で勝利。辰己(楽天)の先制適時打や、この日初スタメンの源田(西武)が放った1号ソロなどでオープニングラウンドを無傷の3連勝とした。 【写真】笑顔を振りまくりチアガールたち 「侍史上最大のアウェー」となった。この日の試合は休日に行われた好カードということもあり、当日券含めた全席完売の「満員御礼」。日本人のファンも多く駆け付けたが、約4万人の観客のほとんどがホームの台湾人ファンで、スタンドの大半は白のユニホームで埋め尽くされた。 独特の文化を持つ台湾の応援は大きな重圧となった。日本の応援団も右翼席上段から必死に声援を送ったが、日本の攻撃時にも台湾の応援の熱量が冷めることはなく、台湾の投手がストライクカウントを1つ取るごとに、スタジアムDJが観客を煽って大熱狂。際どい判定があれば観客が総立ちとなって「チャレンジ」のジェスチャーをしながら声を張り上げた。 台湾側の攻撃時ともなれば、応援のボルテージも最高潮へ。ブラスバンドの生演奏が場内のスピーカーを通して爆音で流れると、一、三塁側ベンチの上部で踊るチアの動きに合わせてファンが応援。チャンスを迎えた際は両隣の席との会話もままならないほどとなる。特に7回に台湾のタイ・ペイフォンがソロを放った際の音量は、バックネット裏最上段に設置された記者席での計測値によると約90デシベル。パチンコ屋の店内の騒音を上回る「会話がほとんど不可能」の数値をたたき出した。 現地の台湾人記者も「自分たちも普段から、試合中はノイズキャンセリング機能の付いたイヤホンを耳にしているくらい、うるさいです(笑い)」と語るほど。先発して6回途中無失点と好投した才木(阪神)も「台湾の応援がすごく、最後は少し力んでしまいました」と回顧すると、井端監督も「(才木は)初めてこのような相手側にたくさんのお客がいる前で投げられたのはいい経験だと思います」と台北ドームが〝逆甲子園〟状態にあったことを明かした。 そんな超アウェーの中でも自分たちの野球に徹した井端ジャパン。この日が今大会初スタメンとなった源田が4回に1号ソロを放った際には、それまで大声援を送っていた台湾のファンも言葉を失い、台北ドームを静寂に包んで見せた。 接戦になったものの、逆境をはねのけたアウェーでの価値ある勝利。この勢いのままに、連勝街道を突き進むことはできるか。
東スポWEB