大事なのは「登りたい気持ち」落ち込む背中を励ました一言

今年も紅葉のシーズンがやってきた！公園や神社仏閣など近場で楽しむのもいいが、山々が一面紅に染まる絶景を見に出かけるのもいい。グランピングやソロキャンプなどアウトドアブームもすっかり定着した今、登山やハイキングを始めてみるのはいかがだろうか。 【漫画】「ゼロから山女子はじめてみました」本編を読む ――無趣味で無気力な干物女の私ですが…「ゆる登山」にハマって抜け出せなくなりました。 平凡な毎日を送っていたのに、ある日突然「登山」に目覚め、ゼロから「山登り」を勉強！「山女子」として活動する日常をかわいいイラストにして発信しているイラストレーター兼漫画家のありを(@arichon_official)さん。そんな、ありをさんが「山女子」として日常を送る実録漫画と、登山に興味がある方必読の山登り知識コラムをぎゅぎゅっとまとめた「ゼロから山女子はじめてみました」をご紹介。漫画を読んで「山デビュー」しちゃおう！ ■“挑戦する体力も時間もある”登山に大切な気持ちに気づかせてくれた言葉とは 笹ヶ峰での初登山チャレンジが失敗に終わり、落ち込みをひきずっていたありをさん。そんなとき、ありをさんの背中を押したのが、勤め先の病院の入院患者・山本さんだった。 山登りが趣味の山本さんは、ありをさんの初登山の話を聞いて「できるよ」と励ましの言葉を送る。ありをさんには健康な足と身体があるじゃないか、と。 その言葉に(私には挑戦する体力も時間もある)と気づかされたありをさんは、再び登山への気持ちが膨らむ。そんなありをさんに、山本さんはカーテンから見える西日本の最高峰・石鎚山をすすめるのだった。 「愛媛県人なら一度は登っとかんと」と石鎚山を教えてくれた山本さん。ありをさんは「道を選べば危険箇所がないことと、山を知らない私に石鎚山の美しい景色を見てほしい思いがあったのかなと想像します。私の主観ですが、山での体験や景色を誰かと共有したい登山者は多く、山本さんもそう思ってくれてたのかなあと勝手に思ってます(笑)」と、おすすめされた理由を想像する。登山の前に山本さんは退院しまい残念ながら報告はできずじまいだったものの、教えてくれたことに感謝しているとありをさんは話す。 現在ではさまざまな山を経験しているありをさん。登山の前にしておくべきことを訊くと「1つに絞るのが難しいですが」と前置きしつつ、“自分が行けるレベルの山なのか情報を集めること”が大前提という。 「自分のレベル以上のコースを選んでしまったこともあり、低体温とカロリー不足によりフラフラになってしまい、下りで顔から大転倒した「顔面出血事件」と呼んでいる失敗経験があります。そのとき、鼻を石で切り顔面が血だらけになって大泣きしました。これだけで済んで運がよかったです」 その事件の際は、まだ山の天気の判断が十分にできず、登山中長時間雨風にさらされていたとのこと。それだけに、天気の判断も大きなポイントとありをさんは語る。 「もう一つ恥ずかしい話ですが、予想もしてない大雨に見舞われて登山道が川状態になり通れなくなったこともあります。そのときはルートを変えて下山しました。『なんで私って毎回こうなんだ』と自分への怒りと呆れを覚えることも多々ありましたが、これらの経験は今に間違いなく活かすことができていると感じます。 天気を見て登る日にちを決める。山選びと天気の判断を大きく間違えなければ、事故のリスクは減らせると身をもって感じております。引き続き気をつけます」 山本さんに励まされ、石鎚山にトライすることを決意したありをさん。前回の失敗を踏まえ「登山に慣れるまでは誰かと登ろう」と“山仲間”を探すことにする。勇気を振り絞って募集した山本さんを待っていたのは――？山仲間を見つけるエピソードのほか、身を守るために重要な登山ウェアの着方についても紹介する。 ■取材協力：ありを(@arichon_official)