ダイハツ「ミラ」は7代目が最後のモデルに! 87.1万円~デビュー【今日は何の日?12月18日】
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日12月18日は、ダイハツを代表する軽自動車「ミラ」の最終世代(7代目)が誕生した日だ。ミラは、ライバルのスズキ「アルト」とともに長く軽自動車のシェア拡大に貢献してきたが、この7世代を最後に「ミライース」にバトンを渡して2018年に生産を終えた。 TEXT:竹村 純(JUN TAKEMURA)/PHOTO:三栄・軽自動車のすべて ダイハツ最後のミラの詳しい記事を見る ■プラットフォームからエンジンまで一新した7代目 2006(平成18)年12月18日、ダイハツの「ミラ」の7代目がデビューした。ミラは、スズキの「アルト」に対抗して1980年に誕生し、バブル期には国内通年最多販売台数を記録したダイハツを代表する軽自動車だが、この7世代で終焉を迎えた。 ミラの先代はダイハツ初の軽乗用車フェロー 戦中・戦後にトラック事業やミゼットなどの商用車で成功したダイハツは、当時「スバル360」の大ヒットで活況を呈していた軽自動車市場に、1966年ダイハツ初の軽自動車「フェロー」を投入した。日本初の角型ヘッドランプを装備した箱型ボディに、360ccの2気筒2ストロークエンジンを縦置きしたFR駆動で注目を集めた。 その後も、スポーティな「フェローSS 」などを追加し、1970年には大ヒットした2代目「フェローMAX」へと進化を遂げた。 スズキのアルトが巻き起こしたボンネットバンブーム スズキは、1979年にボンネットバンという新たなコンセプトの軽商用車「アルト」を発売した。ボンネットバンとは、価格が安くできる商用車でありながら、乗用車スタイルの軽自動車である。商用車にすれば、物品税が非課税となり販売価格が下げられるのだ。 衝撃的な“アルト47万円”のキャッチコピーで登場したアルトは、定員は4人ながら実質2人乗りという荷室が広い商用車。月販台数1.8万台を受注する空前の大ヒットモデルになり、1980年代はアルトが開拓したボンネットバンが軽市場を席巻したのだ。 初代ミラもボンネットバンの商用車ミラクオーレ 初代のミラは、1980年に「フェローMAX」の後継として登場した「クオーレ」のボンネットバン仕様「ミラクオーレ」を名乗って誕生した。その2年後1982年には、ミラの単独車名となった。 一般的なハッチバックの軽自動車に対して、ミラクオーレはハッチバックながら“FF1.5ボックス”というスタイルを採用。エンジンが収まるフロント部をコンパクトに仕上げた上で全高を高くして、室内空間と荷室空間を広くしたことが特徴で、ライバルのアルトとの差別化を図ったのだ。 パワートレインは、最高出力29ps/最大トルク4.0kgmを発生する550cc直2 SOHCエンジンと4速MTおよびオートクラッチ4速の組み合わせ。車両価格はアルトよりやや高いが、それでも49.3万円と低価格だった。 低価格と優れた燃費性能、加えて1.5ボックスの実用性の高さから大ヒット。軽乗用車のクオーレの販売台数を大きく上回り、アルトに負けない販売を記録してダイハツの基幹モデルへと成長した。 セダンながら広い室内空間をアピールした7代目 その後も、アルトとミラのライバル関係が続き、2000年頃まではアルトと軽の双璧を成すことになった。ところが、1993年にスズキの背の高いハイトワゴン「ワゴンR」が大ヒットし、市場をハイトワゴンが席巻するようになったため、2000年以降は軽を代表するセダンタイプのミラの販売は、アルトとともに徐々に右肩下がりになった。 その後もハイトワゴンが主流となった逆風の中で登場した7代目ミラは、車高を少し上げたセミハイトワゴンに近いスタイルを採用。さらにロングホイールベース化することで、セダンながら広い室内空間がアピールポイントだった。 エンジンは、最高出力58ps/最大トルク6.6kgを発揮する660cc直3 DOHCをベースに、カスタムには64psのインタークーラー付ターボエンジンを設定。トランスミッションは、5速MT、3速/4速AT、CVTと多彩。駆動方式はFFおよび4WDが用意された。また、アイドルストップ機構が採用されるなどして、27.0km/Lという優れた燃費性能も大きなセールスポイントとなった。 そして2011年に、低燃費訴求モデルの「ミライース」の登場を受けて、実質的にバトンを渡して2018年に生産を終了した。 ・・・・・・・・・ ミラは、ダイハツ軽自動車の基盤を作り、躍進を支えた基幹モデルだった。ハイトワゴン全盛の時代ではあるが、ミラのようなセダン系軽は、扱いやすさや低燃費というメリットがあり、またエントリーモデルとして適しているので、今後も一定の人気は得られるはずだ。 毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
竹村 純