4人体制最後のコンサートをNHK大阪ホール行ったLE　VELVETS

男性ボーカルグループ、LE　VELVETSが21日、NHK大阪ホールで4人体制最後のコンサートを行った。 彼らは2008年にクラシックとポップスの融合をコンセプトにオーディションで選ばれたバリトン・宮原浩暢（45）、テノール・佐賀龍彦（43）、同・日野真一郎（42）、同・佐藤隆紀（38）で結成。 メンバー全員が音楽大学声楽科出身で、身長180センチ以上。クラシックを軸に多彩なジャンルを歌い上げる高い表現力を武器に、海外CDデビューやメンバーおのおのがミュージカルに出演するなど多岐にわたる活動で人気を集めてきた。 だが、佐賀が21年に脳梗塞を患い、22年にステージ復帰はしたものの、アーティストとしてより完全な復活を遂げるため、さらなるリハビリが必要と判断。今公演を最後に脱退することを決断した。 4人体制での最後のステージを目に焼き付けようと、全国各地からファンが集結する中、ミュージカル「ルドルフ～ザ・ラスト・キス～」の楽曲「明日への階段」で公演はスタート。力強い歌声と人々を鼓舞させる詞の世界観で会場を心酔させると、続くカンツォーネの「’O　SOLE　MIO」では個々の美しい歌声はもちろん、佐藤の圧倒的なロングトーンに客席からは感嘆の声が漏れた。 脱退する佐賀は「16年間の活動で、たくさんの曲に出会ってきました。想いを込めた特別な曲ばかりを披露したい」とあいさつ。並木路子の「リンゴの唄」やちあきなおみの「喝采」、オペラ「トゥーランドット」の「Nessun　Dorma！」など、4人の歌声や表現力、魅力の全てを体感できる楽曲が続いた。 和気あいあいとしたトークコーナーでも大盛り上がりし、佐賀の天然キャラがこの日も炸裂（さくれつ）。佐藤が思わず「リハビリ必要なんですか？」とツッコんでしまうほどだった。 後半はグループの名付け親でもある作詞家、湯川れい子（88）が作詞、バイオリニスト、葉加瀬太郎（56）が作曲した「ROMANTiCA～愛の祈り～」を美しいハーモニーで情感たっぷりに聴かせ、涙を浮かべる観客の姿も。 本編最後は路上ライブ時代から歌い紡いできた「VIVERE」。思い入れのある楽曲を4人は互いに視線を交わし合いながら、かみしめるように歌い上げた。