オレンジジュースは高級品に?海外産地で不作&円安の直撃国産みかんにシフトするも…
国内の飲料メーカーでは、オレンジジュースの値上げや販売休止が相次いでいます。雪印メグミルクは2023年4月から「Doleオレンジ100%」の一部商品を販売休止。森永乳業は原料の果汁がなくなる6月中旬ごろに「サンキスト100%オレンジジュース」を販売休止にします。また、モスバーガーは5月22日からSサイズのオレンジジュースを250円から290円に値上げします。幅広い年代に親しまれるオレンジジュース。品薄の状態はしばらく続く見込みです。 日本果汁協会によりますと、オレンジ果汁の輸入先はブラジルが58.9%と大半を占めています。そのブラジルでオレンジの不作が続いている影響で、オレンジ果汁の輸入量が減っています。国内では6万キロリットルのオレンジ果汁が必要とされている中、2021年は3万3000キロリットルと約半分にまで減少しました。2022年は4万4000キロリットル、2023年は5万3000キロリットルまで戻ってきていますが、まだ足りていません。 ■円安で競争力が弱い日本 そこに追い打ちをかけるのが円安です。財務省の貿易統計によりますと、オレンジ果汁の輸入価格は2020年に1リットルあたり261円でしたが、2023年は482円まで上昇。さらに円安の影響で価格は高騰し、2024年3月には1リットルあたり620円になりました。円安ドル高で日本は競争力が弱いため、アメリカなど他の国に円安で買い負けしていると専門家は指摘しています。 日本果汁協会川村和彦専務理事「オレンジ果汁は濃縮した段階で日本に入ってくるので、かなり日持ちします。普通は為替が安い時に果汁を買って使い続けるのですが、為替レートが非常に円安にぶれていて、ものすごい高い価格で頑張って買っている」 「オレンジは、アメリカでもヨーロッパの国々でもたくさん輸入されていて、競争相手はずいぶんいる。この円安では、なかなか手が出ないかもしれませんね」 「オレンジ果汁不足を解消するには、ブラジルの豊作と、一定程度円高になること。ブラジル以外の販路の多様化とか、国産のみかんをいろいろ活用するとか考えていく必要があると思います」