「売れなきゃまずい」全員40代のトリオ芸人・や団がKOCファイナリストになって覚えた「今までにない焦り」
小学校時代からの同級生である本間と中嶋に、もともとピン芸人であった伊藤が加わる形で2007年に結成された『や団』。結成3年目には早くも『キングオブコント』(以下、KOC)準決勝進出を果たすも、その後長らく決勝には進めず、2020年・2021年は準々決勝敗退という結果に。 【写真】や団、撮り下ろしショット 結成16年目を迎えた一昨年初の決勝進出を果たし、3位という結果を残す。昨年のKOCでも決勝に進出し、5位という好成績を残した。6月21日・22日に開催される単独ライブ『3度目の高円寺』は初となる複数回での開催。上り調子のなかで、いぶし銀トリオ・や団に生まれた心境の変化に迫る。 写真/神谷美寛 記事前編は「KOCファイナリストのトリオ芸人・や団が居酒屋で声を掛けられて驚愕…『意外な人物』の名前」から。 ---------- 本間キッド 1982年埼玉県生まれ、ネタ作り&ツッコミ担当 中嶋亨 1982年埼玉県生まれ、ボケ担当 ロングサイズ伊藤 1981年神奈川県生まれ、ボケ担当 ----------
「売れなきゃまずい」、気持ちの変化
昨年のインタビューでは、年を重ねるにつれて売れるか売れないか、をそんなに気にしなくなったとおっしゃっていましたが、それは今でも変わらないですか。 中嶋―いや、変わりました。やっぱり、もう売れなきゃまずい、という気持ちになってきました。売れることがどうでもよくなったのは賞レースでなかなか結果が出なくて、売れることがあまりに非現実的に思えていたからだと思います。KOCで2年連続ファイナリストになってからは売れることがそこまで非現実的な話ではなくなったから、焦る気持ちも出てきたという感じです。 伊藤―手の届きそうなとこにあると、手に入れたくなるじゃないですか。今までは売れそうにもなかったから、売れるのは外国の話ぐらいに思っていたけど2年連続でKOC決勝に行ってからは国内の話になりました。3駅隣の駅ぐらいまで来たな、みたいなそんな感じです。いい喩えじゃないですか? 本間―意味は分かる。 中嶋―うん、心は打たれてないけど意味は分かるね。 伊藤―今までにない焦りが出てきています(笑) 中嶋―モグライダーとかトム・ブラウンとかヤーレンズとか、今まで地下ライブでずっと一緒にやってきた人たちが最近どんどんテレビに出始めた、というのも影響している気がします。 本間―ネタ以外のところでどう結果を残せばいいのか、バラエティ番組でどう爪痕を残して、どうやって売れていくのか、とか。明確なものがあまりないので、どうすればいいんだろうと思っています。 ネタだけに関していうと、どちらかというといまの方が作りやすくなりました。前まではネタを作ってもこういう方向性じゃないのかなとか、キャラクターが違うのかなとか、暗中模索だったんですけど、反応を多くもらえるようになってからは、そのあたりがクリアになりました。ある程度、自信がついたというのもあると思います。