センバツ高校野球 石橋応援団、練習に熱 大舞台、選手と共に全力を /栃木
◇かけ声、チアリーディング、吹奏楽 18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する石橋(下野市)では、生徒会、ダンス部、吹奏楽部が甲子園での応援に向けて練習を重ねている。生徒らにとっても初のアルプススタンド。大舞台で戦う選手らに精いっぱいの応援を届けようと、かけ声に一層熱が入る。【鴨田玲奈】 同校は応援部がなく、毎年夏の県大会のみ生徒会、ダンス部、吹奏楽部が「応援団」を組織し、野球部に声援を送っている。 1月末、石橋のセンバツ出場が決まると、応援団も急ピッチで準備を進めた。まず野球部員に、打席に立った時に演奏してほしい曲を聞き、2月中旬の期末試験後に振りと演奏の練習を本格化させた。計13の応援曲を用意している。 生徒会は現役メンバー16人に加え、既に卒業式を終えた元役員も3人加わり、計19人で臨む。女子9人は、野球部員の学生服を借りる。今大会では、マスク着用を条件に、2019年夏の甲子園以来となる観客の声出し応援が認められている。生徒会長の初見優太郎さん(2年)は「振りと声、両方意識しなければいけないので大変だが、声が出せることで応援を直接伝えられる気がしてうれしい」と喜ぶ。 ダンス部は例年、チアリーディングを披露するのは夏の県大会だけだった。今回、応援指導を担当する村田剛教諭(50)が「チアも甲子園にふさわしいものにしたい」と、栃木ゴールデンブレーブスのオフィシャルチアパフォーマンスチーム「GOLD LUSH」に指導を依頼。3回にわたり、同校体育館で教わった。指導した福入友芽さん(23)は「チアは全員がそろうことが一番大事。みんな飲み込みが早く、腕の出し方や手の向きなど細部もそろってきた」と感心する。 21日の能代松陽戦では、青、白、赤のトリコロールの新しい衣装に身を包んだ部員23人がダンスを披露する。部長の鈴木琉那さん(2年)は「これまでは見よう見まねでチアをやっていたので、プロの方が来てくださってありがたい。応援する気持ちが選手にしっかり届くように踊りたい」と声を弾ませる。 吹奏楽部の部長、田中利奈さん(同)は「県立校で甲子園に行って演奏できるとは思わなかった」と感激している。部員41人は2月から、ヒットが出た時や好機で演奏する曲目を練習。野球応援に用いる管楽器「スーザフォン」はこれまで他校から借りていたが、今回、新たに2台購入した。他校などから借りる3台と計5台で甲子園に低音を響かせる。 普段はチューバを担当している副部長の神保航希さん(同)は今回、スーザフォンを演奏する。「10キロくらいあるので重くて大変だが、甲子園に連れて行ってくれる野球部には感謝している。精いっぱい応援したい」と意気込む。 ◇ 石橋の選手らは14日、保護者や関係者らに見送られ、JR宇都宮駅から甲子園に向け出発した。