政局混乱でウォン2年ぶり安値、韓国銀行総裁「悲観」報道…株価も戒厳令6日後に今年最安値
韓国の政局混乱を受け、韓国の金融市場が揺れている。外国為替市場では通貨ウォンが売られ、対ドルでは約2年ぶりの安値水準で推移し、株式市場も一時、急落した。韓国国会は14日、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾(だんがい)訴追案を可決したが、市場の不安を払拭(ふっしょく)できるかは定かではない。 【動画】尹錫悦大統領の弾劾訴追案、韓国国会が可決…大統領の職務を停止
尹氏が3日に戒厳令を宣布したことをきっかけに、対ドルのウォン相場はウォン売り・ドル買いが広がった。3日には約2年ぶりのウォン安水準となる1ドル=1440ウォン台に急落した。
その後買い戻しの動きもみられたが、足元でも1430ウォン前後で推移している。市場では韓国銀行(中央銀行)によるウォン買い・ドル売りの為替介入の可能性も意識されている。韓国・聯合ニュースは10日、韓国銀行の李昌鏞(イチャンヨン)総裁が「しばらくの間、過去の水準に戻るのは難しいだろう」と周辺に伝えたと報じた。
株式市場でも代表的な株価指数である韓国総合株価指数(KOSPI)が戒厳令が宣布された翌日の4日から4営業日連続で下落した。サムスン電子など主力株が値を下げ、9日のKOSPIの終値は3日の終値から5・6%安となり、年初来の安値をつけた。