パンダの繁殖において実績を誇る【マレーシアのパンダ事情】 旅立ったパンダ3姉妹の現在も紹介
東南アジア3カ国にパンダ5頭
現在、東南アジアには3カ国に計5頭のパンダが暮らしています。この記事で紹介したマレーシアと、シンガポール、それからインドネシアのタマンサファリへ2017年9月28日にオスのツァイタオ(彩陶)とメスのフーチュン(湖春)が中国から来ました。フーチュンは、シンガポールにいるカイカイ(凱凱)の妹です。 2023年の春までは東南アジアの4カ国にパンダがいました。4カ国の中で最も早い時期からパンダがいた(短期滞在のパンダは除く)のは、2003年10月12日に2頭が来たタイのチェンマイ動物園。しかし、同園で生まれたリンビン(林冰)が中国へ行き(参照:「中国でシャンシャンに再会(後編)」)、リンビンの父親のチュアンチュアン(創創)は2019年9月16日、母親のリンフイ(林恵)は2023年4月19日に息を引き取ったので、タイにはパンダがいなくなりました。 ネガラ動物園には現在、3姉妹の両親であるシンシンとリャンリャンがいます。この2頭は、生年月日が同じで、2006年8月23日に四川省・臥龍で生まれました。四川省・雅安や北京で暮らしたこともあります。リャンリャンは2013年8月に中国でほかのオスとの間の息子ゴンゴン(貢貢)を生みました。 シンシンとリャンリャンはマレーシアと中国の国交樹立40周年を記念して、2014年5月からマレーシアに貸し出されています。貸与期間は10年間なので、2024年5月に期限を迎えます。もし期限が延長されず、2頭が中国へ戻ることになり、新たなパンダが来なければ、タイに続きマレーシアからもパンダが姿を消すことになります。 中川 美帆 (なかがわ みほ) パンダジャーナリスト。早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(11カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著に『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)がある。 @nakagawamihoo パンダワールド We love PANDA 定価 1,650円(税込) 大和書房
中川美帆