「球界制度」のスタートに…?かつて契約金ゼロだった選手(5)「入団拒否」で制度見直しへ
ドラフト会議で支配下指名された選手には、契約金というものが支払われる。「退職金」とも言われる契約金は選手にとって大切なものだが、過去には「契約金ゼロ枠」という制度があり、その枠で指名された選手も複数存在する。そこで今回は、契約金ゼロでプロ野球の世界に飛び込んだ選手を取り上げる。
開田博勝
投打:右投左打 身長/体重:175cm/79kg 生年月日:1975年2月10日 経歴:柳川高-法政大-三菱重工長崎 ドラフト指名を拒否した開田博勝。この1件は、契約金ゼロ枠の存在意義が問われる事態となった。 柳川高で2年夏に甲子園ベスト8入りを果たすと、進学先の法政大では大学日本一を経験。また、社会人野球の三菱重工長崎ではキャプテンを務め、都市対抗野球で準優勝を経験した。 当時から評価が高く、上位指名の可能性もあった中、ドラフト5位でオリックス・ブルーウェーブ(現:バファローズ)から指名を受けた開田。ところが、契約金ゼロという条件がうまく伝わっていなかったのか、交渉は難航。 結果的に入団合意には至らず。これを機に契約金ゼロ枠が見直されたと言われている。 なお、開田はその後も社会人野球で活躍し続け、2011年に古巣の三菱重工長崎の監督に就任。2019年まで同チームの指揮をとった。 指名された末、入団拒否に至った開田だが「もしプロ入りしていれば」と想像したくなる好選手だった。
ベースボールチャンネル編集部