決選投票に残ると言われる2人は同タイプ?自民党総裁選「9人候補者」をざっくり5つのタイプに分けてみると
同じく反対するのは高市早苗経済安全保障担当相だが、茂木氏が経済成長で税収が増えることを理由とする一方で、高市氏は「今は反対」と慎重派だ。 小泉氏や林氏、上川氏や河野太郎デジタル相、そして加藤勝信元官房長官は岸田路線を踏襲する。石破茂元幹事長や小林鷹之前経済安全保障担当相は岸田路線に賛成するものの、増税開始時期や使途内容に条件を付けている。 「武器購入だけでなく、自衛官の育成にも使うべき」とする石破氏はまた、「アジア版NATO」の創設を提唱する。高市氏は非核三原則のうちの「持ち込ませず」の見直し派だ。河野氏は原子力潜水艦配備を打ち出したが、ゴリゴリの脱原発派だった河野氏の“変身”に、驚く声は少なくない。
もっともこうした彼らの姿勢は、危機が深まる東アジアの現状に対するものだ。すでに時間との戦いとなっている拉致問題について、小泉氏は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と「同世代のトップ同士で、胸襟を開く」と意欲を示すが、認識の甘さに批判の声もある。 なお小泉氏は9月14日に日本記者クラブが開催の公開討論会で上川氏に「首相になったら、カナダで開かれる来年のG7サミットで何を発信するのか」と尋ねられた時も、「トルドー首相と43歳で首相になった者同士が胸襟を開き、新たな未来志向の外交を切り開く」と回答した。
■経済政策ではそれぞれの特徴が顕著に 経済については、それぞれの特徴が出ている。石破氏は地方創生を「日本経済の起爆剤」と位置づけ、富裕層の優遇是正のための金融所得課税の強化にも言及。加藤氏は「所得倍増」を掲げ、企業の設備投資の活性化を行い、最低賃金を2000円の水準に上げることを目指す。 加藤氏は金利の正常化には基本的に賛成で、「足元の経済を見ながら、慎重にやるべき」派だが、2021年の総裁選と同様に「アベノミクス」を引き継ぐ高市氏は、金利引き上げに断固反対。積極的な財政出動をさらに進めることを提唱しつつ、日銀の金利引き上げについても、「企業が投資をしにくくなる。消費マインドを下げてはいけない」と批判している。