世界一に懸念の2戦15失点、7被弾…大谷翔平の投手復帰が求められたドジャースの“打者が打つしかない”悲惨状況
悲願のワールドシリーズ制覇を目指す常勝軍団のドジャースは、ある不安に苛まれている。 【動画】「不快だ」と批判も…ドジャースファンを煽るタティスJr.の挑発シーンを 現地時間10月5日から本拠地で始まったパドレスとの地区シリーズでは、2戦を終えて1勝1敗の互角。同地区のライバルと熾烈な争いを繰り広げているわけだが、不安材料が少ないわけではない。目下、問題視されているのは投手陣だ。 もっとも、ポストシーズン開幕以前から懸念されていたところではあった。レギュラーシーズン中に先発ローテーションの一角を担っていたタイラー・グラスノーやクレイトン・カーショウらが故障離脱。さらに山本由伸も9月に戦線復帰したばかりで不安がないわけではなかった。 そうした中で、ドジャースは今ポストシーズンに向け、山本、ジャック・フラハティ、ウォーカー・ビューラー、ランドン・ナックによる先発ローテを形成。なんとか乗り切ろうと図ったが、ここまでは巧く作用しているとは言い難い。2戦でいずれも先発が4失点以上で降板。中継ぎへの負担も増加。投手陣全体で被安打20、15失点、被本塁打7と“崩壊”傾向にある。 ポストシーズン直前には、巷で来季の投手復帰に向けたリハビリ中である大谷翔平の抜擢も囁かれてきた。ドジャース首脳陣は「このポストシーズンで彼の投球を期待していない」(ブランドン・ゴームズGM談)とそれを否定しているわけだが、世間がタレントを求める理由は現状が示していると言っていい。 “世界一”に向けた由々しき事態には、地元記者も危機感を募らせる。MLB公式サイトのドジャース番を務めるフアン・トリビオ記者は「ドジャースがワールドシリーズ優勝という究極の目標を達成するためには、どこかで先発投手の助けが絶対に必要になる」と断言。そして、米紙『USA Today』のゲイブ・ラケス記者は厳しい意見を記している。 「過去10年、ドジャースは訝しげな投手陣とプレーオフでの悲劇的な失態に悩まされてきた。今年はクレイトン・カーショウが氷漬けで、タイラー・グラスノーはシーズンを通して投げきることができなかった。 先発ローテーションの出来は謎に包まれていた。そして彼らは『失点防止策は忘れよう。その代わりに、ショウヘイ・オオタニのように相手を打ちのめそう』としている。しかし、今のドジャースはそう強気な態度を取るしかない。それがこのシリーズに彼らが勝つ唯一の方法だ。ただし、彼らの打撃力がパドレスを上回れた場合のみだ」 とにかく打つしかない状況とも言える。そうした中で打線のキーマンとなっている大谷への負担はますます大きくなっていきそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]