熱中症が心配なので、夏の間はエアコンを点けっぱなしにしようと思います。熱中症になったときの治療費と比べたらどちらが安上がりですか?
夏の暑さが厳しい中、熱中症のリスクを考えると、エアコンをつけっぱなしにすることはひとつの有効な対策だといえるでしょう。特に高齢者や子どもがいる家庭では、エアコンを使用することで室内の温度を適切に保ち、熱中症を予防できる可能性があります。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算 とはいえ、エアコンの電気代が気になるという人もいるでしょう。熱中症になったときの治療費と、エアコンをつけたままの電気代、どちらが本当に経済的なのでしょうか。そこで今回は、どちらが経済的に安上がりなのかを検証してみます。
エアコンの電気代の求め方
電化製品の動作に必要なエネルギーを「消費電力」と呼び、単位はワットで、1000ワットは1キロワットに相当します。消費電力量は、消費電力に使用時間を掛けたもので、電気代の計算に用いられます。 エアコンの1時間あたりの電気代の式は以下の通りです。 ・1時間あたりの電気代=消費電力×電気料金(1キロワットアワーあたり) また、エアコンを1日あたりの使用時間や月に稼働する日数に基づいて計算することで、月々の電気料金を算出することもできます。
エアコンを夏の間つけっぱなしにした際の電気代
一般的に冷房の使用開始時期は、外気温が25度以上になる時期からといわれています。気象庁のデータによると、2023年度の東京(東京都)の月平均気温が25度以上だったのは、7月から9月の3ヶ月間です。 エアコンを7月から9月末までの3ヶ月間つけっぱなしにしていた場合の電気代を計算してみましょう。とあるエアコンの消費電力は、580ワット(0.58キロワット)です。電力単価の目安は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している31円/キロワットアワーを用いることとします。 まず、1時間あたりの電気代を計算します。 ・0.58キロワットアワー×31円/キロワットアワー=約18円 次に、エアコンを1日24時間つけっぱなしにした場合の電気代を計算します。 ・1日あたりの電気代=約18円×24時間=約432円 以上を踏まえると、1ヶ月エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代は次の通りです。 ・1ヶ月あたりの電気代=約432円×30日=約1万2960円 7月から9月末までの3ヶ月間、エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代を計算します。 ・3ヶ月あたりの電気代=約1万2960円/月×3ヶ月=約3万8880円 エアコンを夏の間中(3ヶ月間)つけっぱなしにしていた場合の電気代は約3万8880円です。なお、この金額はエアコンの種類などによっても異なる場合があるため、あくまで目安として押さえておきましょう。 ■熱中症で入院すると治療費はエアコンをつけっぱなしにするより高くなる可能性がある 病院によって費用の算定が異なるため、実際の費用には差がありますが、救急車で運ばれて点滴だけを受けて帰宅する場合、軽症で最低限の処置にかかる費用は約3000円で、3割の自己負担が予想されます。処置や薬剤が必要な重症の場合は、自己負担が8000円ほどに達する可能性もあるでしょう。 また、救急車で運ばれて入院する場合、1泊2日の入院で自己負担が5万円から9万円程度かかると見込まれます。重症で入院が長引く場合は、費用がさらに高額になる可能性もあるでしょう。 前項でエアコンを3ヶ月間つけっぱなしにしていた場合の電気代は約3万8880円ということが分かりましたが、実際は外出時などに電源を切ることもあるでしょう。そのため実際はこの金額よりも安くなる場合があります。 また、エアコンの種類などによっても異なるでしょう。以上を踏まえると、エアコンをつけっぱなしにする方が安上がりになる可能性があるといえるでしょう。何より身体への負担を軽減できる可能性があります。
夏の間中エアコンをつけっぱなしにした方が熱中症が重症になった際の治療費よりも安上がり
夏の間中エアコンをつけっぱなしにすることは、熱中症のリスクを低減し、治療費の節約になる可能性があります。熱中症の治療にはさまざまな費用がかかります。軽症の場合でも数千円から、重症の場合は入院費用が数万円に及ぶといわれています。 エアコンを使用して熱中症を予防することは、治療費を考慮すると経済的な選択だと考えられます。 出典 国土交通省気象庁 観測開始からの毎月の値 公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部