地震で保育園の子どもが心配…でもお迎えちょっと待って まずは親の安全確保を #令和の親
親が3日間迎えに行けないことも
「無理に迎えに行こうとしないでほしい」。専門家も、災害時の保護者の対応についてこう説明する。 自身も阪神・淡路大震災を経験し、防災ガイドを務めるあんどうりすさんは「そもそも災害時には『72時間一斉帰宅抑制』の方針を定める自治体もあり、保育園に預けている場合、親が3日間子どもを迎えに行けない場合がある」と話す。 大災害が起きた際、歩いて無理に帰宅しようとせず、安全な場所にとどまる「一斉帰宅の抑制」を東京都は条例で定めている。歩行者が道路をふさいで救急車などの緊急車両が通れなくなったり、群衆雪崩などの二次災害が起きたりする危険性があるからだ。千葉県内でも両親が子どもの預け先から離れた場所に勤務しているケースは少なくない。そのため「保護者は3日間子どもと会えなくなることを前提に、保育園が災害時にどういった方針なのかをあらかじめ確認しておく必要がある」と強調する。
まずは園からの連絡手段を確認しておくと安心だという。保護者が園に個別に連絡してしまうことで、災害対応で忙しい保育士が電話対応に追われてしまい、子どもたちの安全確保が難しくなる場合がある。「災害時に園からどのように情報が発信されて、どのように保護者側がキャッチするのかは事前に分かっていないと不安になる。平常時に連絡手段や園の備蓄などは確認しておいてほしい」と話す。 迎えに行く場合のリスクも考えておきたい。道路にブロック塀が落ちてきたり、液状化でマンホールが浮き上がっていたりする恐れがあり、子どもと一緒に行動することでかえって危険が伴う場合もある。普段の送迎の際に危なそうな場所や、途中で待機できる一時避難場所などを確認しておくと安心だ。
「絶対に迎えに行く」と伝え、子どもを安心させる
さらに、あんどうさんは、子供が不安にならないような言葉を事前にかけておくことが重要と説く。「子どもたちにとって保育園は、自宅以外の遊び場で安心できる場所でもある。無理に迎えに行こうとせず、子どもにはあらかじめ大きな災害の際にはお父さんお母さんが動くとかえって危なくなってしまうこと、けがした人たちを守るためにみんなその場にとどまることがあると伝え、『絶対迎えに行くからね』と伝えて安心させてあげてほしい」と説明する。 その上で「園の避難場所がそもそも安全なのかなど保育園と保護者が一緒にじっくり考えてほしい。大きな災害の場合は、対応が〇か×で判断できないことがたくさんある。災害が発生する前に、事前に意見交換していくことも大切だ」と訴える。 ※この記事は千葉日報とYahoo!ニュースによる共同連携企画です