高倉健さん死去から1年 大阪ロケの映画DVDなど未だに人気
高倉健さん死去から1年 大阪ロケの映画DVDなど未だに人気
2014年11月10日午後、大阪市中央区道頓堀の戎橋で、多くのテレビ局取材班がカメラを回していた。理由は、映画「ブラック・レイン」の日本ロケに登場した場所がここだったこと、そう、俳優の高倉健さんが同日亡くなったことが発表され、各社撮影にきていたわけだ。あれから1年、レンタルビデオ店をのぞいてみると、同作品をはじめ健さんの作品は「貸出中」が多い。同作品で大阪の撮影現場にいたという人は「同じ空間に入れただけでうれしかった」とうれしそうに当時を振り返った。
戎橋や昔のグリコ看板なども確認できる
筆者は30代後半。高倉健さんといえば、数々の映画作品が頭に浮かぶものの、「大阪」とからめて連想するとしたら、学生のころ話題となったブラック・レインが即座に浮かぶ。大阪や神戸で大規模なロケが行われたことが話題となり、当時、大阪の情報番組などで、その番組に出演するタレントが「私がエキストラで出たんです」とか「ここでロケやってるのを見ました」と自慢げに話す場面を何度か見た記憶もある。 当サイトでも、同作品のロケ地をめぐる企画などを行った。先に述べた戎橋では、そのたもとにあった特徴的なビル「KPOキリンプラザ大阪」前などがロケ地となり、本編では健さんやダグラスらが捜査車両から降りるシーンなどが撮られたことが確認される。 また、この建物前で健さんが車で張り込みを行うシーンなどでは、同建物そばにあった「懸垂形信号機」や「道頓堀のグリコ看板(4代目)」も確認できるなど、見ていたら「あ~知ってるあそこや」「今と違うなぁ」とつい口走ってしまう。
大阪府庁「正庁の間」は剣道場としてロケ地に
ほかにも京橋の路上やパチンコ店、大阪市中央卸売市場などでも健さんらはロケに訪れた。中でも「大阪府庁」のロケは、当時の岸昌大阪府知事がロケに理解を示したことから、自らの執務室もロケ地として開放したほど。 中でも年末年始の行事や人事発令・式典などに使われていた特別な部屋「正庁の間」では、その場所を剣道場に見立てロケが行われ、健さんやダグラスらが竹刀を持ってやり取りするシーンなどが撮られている。 当時、在阪メディアの記者としてその一部始終をみたというライターの岡村雅之さんは「監督や出演者に質問はできない状況で報道陣はただ見ているだけ」と当時を振り返る。 ただ「剣道着に身を包んだ高倉さんが、背筋を伸ばしてすくっと立っていて。セリフとか耳に入ってきませんでしたが、記者であることを忘れ、健さんと同じ空間にいるというだけで幸せでしたね」とうれしそうに話す。健さんは、それだけすごいオーラ、そして男らしさがあったという。 昨年のいまごろは、耐震工事のため見学ができなかったが、現在は祝日を除く水・金曜日の午前10時から午後5時まで見学が可能となっている。