技術の結晶、上空200メートルへ 小型ロケット、諏訪地域のプロジェクトが打ち上げ
信州大や諏訪地域の企業などによる「SUWA小型ロケットプロジェクト」は17日、プロジェクトに参画する岡谷市にある岡谷湖畔公園で小型ロケットを打ち上げた。全長2メートルほどのロケットは「シューッ」という音とともに火を吹いて勢いよく空へ上がり、その後諏訪湖に落下した。諏訪の技術の結晶というロケットの発射成功に関係者らは手応えを感じていた。 【写真】火を吹いて勢いよく空に上がるロケット
打ち上げたのは8号機。固体燃料と液体燃料を使うハイブリッド型ロケットの内部に燃料の供給量をバルブで調整する「バルブシステム」を搭載。バルブの軽量化などは「諏訪の技術があるからできた」(中山昇・信大工学部准教授)。昨年発射の7号機もバルブシステムを活用して打ち上げており、今回の実験で再び動作を確かめる狙いだ。
午前10時、ロケットは一瞬で上空約200メートルに達した。規制線の外側で見守っていた数十人の観客からは、「速い」「すごい」といった声が上がった。岡谷市の大原今朝芳さん(83)は「成功して良かった。次は発射をよく見られる所を事前に調べたい」と笑顔を見せた。
中山准教授は取材に「バルブシステムの確認ができ、成功」。2015年から続くプロジェクトで「着実に技術力は上がっている。ハイブリッド型ロケットを開発する全国の団体も多く、今後は連携していきたい」と話した。