記録的豪雨の中の「前例がない、たすきをつながない駅伝」…選手「太ももまで水につかりながら走った」
関係者が「前例がない」という珍事だった。今月5日、大阪府豊中市の服部緑地陸上競技場のトラックで、たすきをつながない「駅伝」が行われた。
今月2日、大阪市の長居公園で全国高校駅伝大阪府予選の男子のレース(全7区)がスタートした。しかし記録的な大雨となり、大阪高等学校体育連盟によると、コースの一部が選手の膝上まで冠水。レースの続行が困難となり、全チームが完走した3区で打ち切られた。上位勢は既に5区までたすきをつないでいたが、5日に4区以降を継続レースとして行うことになった。
5日のレースの結果、2日に3区までトップだった関西創価が優勝。ある選手は「太ももまで水につかりながら走ったので、疲労が取り切れなかった。優勝できてよかった」と汗をぬぐった。
大会は、暴風警報などが発令されれば、代替日に行われることがある。しかし、継続レースの開催は全国的にも異例だ。2日は警報が出ていなかったが、レース前に延期を求める声があったという。大阪高体連陸上競技専門部の関係者は「(走りたい)選手の思いをくんで決行した。ここまでの雨は想定できず、負担をかけてしまい申し訳ない」とした。
5日のレースは、陸上トラックで4~7区を区間ごとに走り、タイムを積算して順位を決める形式だったため、ほとんどの選手がたすきを着けずに走った。日程の都合などで7チームが棄権し、選手変更のルールを巡り混乱もあった。「たすきをつないでこそ駅伝。(2日に)開始時刻を遅らせるなど別の対応ができなかったのか」と疑問を呈した監督もいた。局地豪雨などで、今後も同様のことは起こりうるだろう。今回の対応を検証し、より柔軟な運営が求められる。(後藤静華)