イラスト：鈴木勇介

　元消防士が株式投資で築いた資産は、なんと8億円！ 三重県在住の専業投資家・かんち。49歳で早期退職してからというもの、生活費のすべてを株の配当金でまかなっている。その配当金の総額は、なんと年間2000万円超え。高配当株と株主優待株を組み合わせた「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資術”は、初心者の新NISAにも参考になる。「その投資術を知りたい！」と、長年著作の刊行を期待されていたものの、すべて断ってきた投資歴40年のベテランが、初めて著した話題の書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる　超★高配当株 投資入門』（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集したものをお送りする。 ●　FIREするなら資産2億円を目指す 　資産1億円に到達すれば、2億、3億円を突破するのも現実味を帯びてきます。 　私が「消防を辞めよう」と思ったのが資産2億円を超えたあたりですが、FIRE（経済的な自立による早期リタイア）をするには最低でも資産2億円はあったほうがいいと思います。 　とくにいまのような日経平均株価が高いときの1億円は、何かあればあっという間に資産が7000万円、5000万円に目減りしてしまうリスクもはらんでいます。そうなれば、また働きに出なくちゃいけません。 ●　調子に乗ってお金を使いすぎない 　人にもよると思いますが、1回FIREしてから働きに出るのは、なかなかしんどいと思います。 　資産2億円あれば、たとえ1億5000万円、1億円になったとしても、株を売らずに配当金だけでじっと我慢していれば、そのうちきっと株価も元に戻るはずです。 　なので、とくに「ゆくゆくは仕事を辞めて株だけで生活したい」と思っているような人は、資産5000万円から1億円のステージになっても、調子に乗ってお金を使いすぎないことが重要です。 ●　徹底してきたマイルールとは？ 　基本的なことですが「足るを知る」、つまり自分が置かれた状況で満足感を得ることを肝に銘じて忘れないことです。 　私の場合、「お金がなくなっていくことへの恐怖」を感じたことはありません。それは、毎年収入以上に支出を増やさないように徹底的に管理しているから。 　だから毎年必ずお金が増えていくともいえます。このマイルールだけは、どんなときも徹底してきました。 ●　自分に甘い“特別ルール”は設けない 　「今年はちょっとお金が必要だから今年だけは特別」「今年は相場が悪くて資産が減ったから、少しくらい足が出ても仕方ないよね」といった自分に甘い“特別ルール”は設けたことがありません。 　そもそも私のような株主優待を得る目的で株式投資をする“優待族”は、基本的に倹約が身についており、お金を使いすぎることに罪悪感を覚える人も少なくありません。 　なので、お金が増えたとしても使い過ぎるような人は、そう多くないのではないかと思います。とにかく、このステージまで到達できた人は、自分を信じて突き進んで欲しいと思います。 　※本稿は、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる　超★高配当株 投資入門』（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集したものです。