甦夢THEATRE「黄金仮面―masque doré―」小越勇輝・岡幸二郎 インタビュー
山崎彬×小越勇輝×岡幸二郎への期待
――演出の山崎彬さんからは、役づくりなどについておふたりにオーダーはありましたか? 岡 立ち稽古が始まったばかりで、具体的なことはまだ伺ってないんです。僕は山崎さんの演出を受けるのは初めてですが、見ていると、俳優を動かしながら考えていかれるタイプのようですね。演出家さんって、ご自分の中できっちり画を創って「あそこに行ってください」「そこに立っていてください」と指示を出していくタイプと、いろいろなことを試行錯誤して俳優を動かしながら頭の中を整理していくタイプ、2通りあると思うんです。山崎さんは後者のようなので、これから少しずつ画を創ってキャラクター形成をしていってくださるのではないかと。 小越 彬さんとは何回かご一緒していますけど、空間を動かしていく感じがすごく面白い。出演者に対しては自由にやらせてくれるというか、それが面白かったら「そっちもいいね」って幅を与えてくれるんです。稽古でも今はまだいろいろな面でいっぱいいっぱいですけど、自分なりに「こうやったら面白いかな」っていうものを提案しながら、いろいろなことをできたらと思っています。 ――初共演のおふたりですが、お互いに俳優としての印象は? 小越 最近だと、僕がすごくお世話になった茅野イサムさんが演出されたミュージカル『夜曲~ノクターン~』に岡さんも出演されていたので、観に行かせていただきました。茅野さんと本番前にお話しして「岡さん、すごいよ」って聞いていたんですけど、実際に観たら本当に存在感がすごかった。でもお会いしてみると、すごく柔らかくて、お優しい空気をまとっていて。 岡 それは仮の姿です(笑)。 ――真の姿ではないと? 小越 (笑)。でもやっぱり、稽古場でも存在感がすごい。鍛えてらっしゃるし、立ち姿も綺麗だし。 岡 自分としては、最近「2.5次元」と言われている人たちの中にいることが多いので、小越くんたちがメインだからのんびり座ってみんなを見て。 ――お父さんポジションで見守ってらっしゃると。 岡 だんだん、そういう感じに(笑)。若者たちが活躍しているところを見ていますが、やっぱりすごいですよ。小越くんは子役からだから、20年以上やってるわけでしょ。見た目の風貌より百倍しっかりしている。 ――主演として、芯がおありだと。では小越さんらしい明智って、どういう感じになりそうですか? 岡 明智小五郎ってずっと熟した男性のイメージだったなか、小越くんはまったく風貌が違うわけですよ。だけど中身は本当に明智で、そこが面白いし、今回の『黄金仮面』の見どころのひとつだと思います。僕くらいの年齢の人たちが「明智はこんなに若くないじゃないか」と思って観に来ても、観終わった後には立派に成立している面白さを感じてもらえると思うんですよね。