ラスト5分の衝撃…モヤモヤの正体は? 『オクラ~迷宮入り事件捜査~』は緊張感と癒しの緩急が素晴らしい。第4話レビュー
犯人逮捕で丸く終わらない第4話
美佳から虐待を受けていた壮太は、実の父である新山が自分のために犯行に及んだと思い込んでいた。本当のことを話せば自分を守ってくれた父親が逮捕されてしまうし、亡くなった母親の名誉が傷ついてしまう。 こうして新山が犯人、逮捕で一件落着とはならず。丸くは終わらなかったのが第4話だ。 飛鷹がふと気になった“ドアの閉まる音の回数”は、新山のほかに真犯人がいることを示していた。これまでラスト5分、10分でくるりと物語をひっくり返してきた本作。 今回もラストに衝撃展開が待ち受けていたのだが、第1~3話までの1話完結とは異なり、白金ホステス殺人事件は第5話にも渡っていく。じわじわと世界観を侵食しながら、まるで1本の大きな物語になろうとしているかのように。 加勢英雄(中村俊介)が飛鷹の行動を怪しみ、忠告するシーンでは緊張感を。公園で飛鷹が壮太にたわむれるシーンはフッと肩の力が抜ける癒しを味わえる。そんなシリアスとコメディの緩急も、毎回の醍醐味である。 第5話では、新たな真犯人の可能性を追う。真犯人とは誰なのか? 飛鷹と不破のバディの行方は? 事件にひそむ“本当の闇”とは? 次回また1歩、物語が大きく動きそうだ。 【著者プロフィール:西本沙織】 1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
西本沙織