【漫画】成人式で再会した幼なじみ男女が飲みに行ったら、ジェンダー意識の差に気付き?【作者インタビュー】
幼なじみの女子が「フェミニスト」になっていた?
成人式で同級生と再会した陸人。そこへ髪を赤く染めたスーツ姿の女性が現れました。彼女は幼なじみの田中うみで、幼い頃から仲が良かったものの、男女の世界が分かれるとともに疎遠になっていました。ふたりは成人式後の飲み会で久しぶりに話をしますが、ジェンダー問題について語るうみに陸人は「フェミニスト」を感じて……。 【マンガ本編】成人式で再会した幼なじみ男女 好きな作家の女性描写が気になる女性に対して、男性は? 坂本寺さん(@temple_saka)による創作マンガ『再会した幼馴染がフェミニストになってた』がX(旧:Twitter)で公開されました。フェミニストとは一般的に「男女平等や多様性を願う人」というような意味で使われていますが、その解釈も人によってさまざまです。作中のふたりの会話からお互いの意識の違いが浮き彫りになり、困惑する様子に考えさせられます。 読者からは「面白かった」「良いお話」「ジェンダーに対する意識の違いを感じる日常の話題がリアルで共感できた」「『周囲が私をフェミニストにした』という表現は本当にそうだと思った」「女性として生きていると少しずつ生きにくさが積み重なって、フェミニズムに関心を持ち始めるんだよね」「性別にこだわらず、自分らしくありたいものですね」などの声があがり、投稿には4.9万いいねの反響が集まっています。 作者の坂本寺さんに、お話を聞きました。 ーー『再会した幼馴染がフェミニストになってた』のお話はどのように生まれたのでしょうか? 私は当然フェミニストなのですが、久しぶりに会う友人がフェミニストであるならば、相当うれしいことだと日々思っています。時や場所を隔てても、同じ方向を向いている人がいることは、力になります。 しかし、フェミニストになる前の自分が、フェミニストだと自称する人を前にしたら、どう思っただろうか、とも考えます。なぜなら「フェミニスト/フェミニズム」に対する認識が、その人の知識や置かれる環境などによってまったく異なる、という現状があると思うからです。そうした認識と実存のずれのようなものを捉えたい、と筆を執りました。 ーー大人になった幼なじみ男女の会話がリアルに描かれているのが印象的でした。このマンガを描くうえで力を入れた点、心がけた点などを教えて下さい。 とにかく「説教臭い」と言われないように言葉を選びました。「フェミニスト/フェミニズム」を扱った作品、というだけで怒られる、説教されると構えてしまう人が多いと予想したので。もちろんそうした怒りや説教的なものが足りていない、届いていないのは事実だと思いますが、「無知な者に範(はん)を垂れる」ほど私には知識も技術もあまりにない。「一緒に考えたい」というスタンスでいます。 それゆれ当然ですが「ふわっとしてる」「浅い」といった反応があり、そこは本当に力不足で、今後の課題だと思います。 ーーフェミニストというテーマに考えさせられる部分も多かったですが、このマンガを通して読者に伝えたかったことを教えて下さい。 伝えたかったことというより、一緒に考えたかったことのひとつとして、「我々はどれだけ目の前の人の属性に左右されずに目の前の人と向き合えるのか」という問いがあります。それはやっぱり難しいことだし、ほとんど不可能だとも思います。その属性は、確かにその人を構成するものでもあるからです。 言ってしまえば「○○であることは、その人にとって重要なことであると同時に、ささいなことでもある」というか。もちろんこれはひとつの視点にすぎないので、いろいろな角度から考えてほしいです。