WBC大会史上初の女性コーチがベンチ入りへ
3月に開幕するWBCで、大会史上初となる女性コーチがベンチ入りすることになった。米国の地方紙であるマリブタイムズ紙が報じたもので、イスラエル代表チームに加わる米国在住のジャスティン・シーガルさん(42)だ。イスラエルは、第1次ラウンドのグループAに所属。韓国、台湾、オランダと戦うが、ここを勝ち抜けば、第2ラウンドで侍ジャパンと戦う可能性もある。 マリブタイムズ紙によると、「今大会でユニフォームを着てベンチ入りする唯一の女性で、また、(大会では)史上初めてのことでもある」という。 シーガルさんは、スポーツ心理学の博士号を取得しているが、もともとは女子野球の選手で、これまでにはメジャーリーグでコーチを務めたこともある。 2009年当時、独立リーグだったブロックトンロックスでコーチを務め、プロ野球リーグでは初の女性コーチとなった。2011年にはメジャーリーグのキャンプに参加し、アスレチックスの打撃練習などに「登板」。15年にはアスレチックスの育成リーグでもコーチをし、メジャーリーグ史上初の女性コーチとして話題になった。 幼いときは男子と同じように野球をしていたが、13歳のときに女子であることを理由にチームに入ることを断られた。高校時代もいったんは入部を断られたが、練習試合で対戦相手としてマウンドに立ち、三振を奪うなど、実力で入部を勝ち取った女傑だ。 学生時代から、将来は野球の指導に携わりたいと考えていたが、「男子選手は誰も、女子コーチの言うことなど聞かない」と周囲からは、一笑されたという。しかし、その後は前述したように、その言葉を覆すようにキャリアを積み重ねてきた。 イスラエルのウエインスタイン監督は、アスレチックスなどでのシーガルコーチの仕事ぶりを高く評価しており、スタッフの一員として迎え入れることを決めたという。 イスラエルは昨秋のWBC予選で、イギリス、ブラジル、パキスタンの戦いを制して、WBC本大会への初出場を決めたが、その際、チームのウエインスタイン監督はメジャー公式HPに「メンタルゲームに関して、彼女はチームにとってなくてはならない存在。そのうえ、彼女はバッティングピッチャーをしてくれ、ノックもしてくれ、ボールを捕球してくれる。彼女は野球選手そのもの。こういったことで野球の普及につなげていくというのは素晴らしいことだ」と話していた。