“億り人”たちは2025年の投資プランをどう考えているのか（左からVTuber・はっしゃん氏、藤本茂氏、おけいどん氏＝イラスト：西田ヒロコ）

　日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新し、新NISAのスタートによって多くの人が投資に興味を持ったのが2024年だった。新しい年に市場はどう動き、どんな銘柄に期待が持てるのか。株式投資で億超えの資産を築いた“億り人”たちが、イチ押しの銘柄を特別公開する──。

日経平均4万超えは必至

　辰年から巳年にかけて株価は天井をつけることが多いため、相場の世界には「辰巳天井」という格言がある。辰年の2024年の日経平均株価は8月に大暴落があったものの、バブル期につけた史上最高値を更新する4万2224円に達するなど活況に沸いた。 　巳年の2025年は果たして格言通りになるのか。独自の相場観と投資術で億超えの資産を築いた歴戦の「億り人」たちは、明るい見方をする。会社員時代に「割安成長株」に長期投資するスタイルで3億円の資産を築いた投資家VTuber・はっしゃん氏は、こう予測する。 「2025年は日経平均が5万円を目指す年と見ています。東証が株価を意識した経営を各企業に求めてきたことで流れが変わり、インバウンドをはじめ日本を再評価する動きも高まっている。日本株がさらに右肩上がりになっていく年になるでしょう」 「割安成長株」への長期投資で元手250万円を2億7900万円超に増やしたサラリーマン投資家の弐億貯男氏は、こう見る。 「今後の日経平均は2024年8月の大暴落でつけた3万1000円台が底値となり、2025年は上昇基調で4万円超えは必至でしょう。もちろん、すべての銘柄が値上がりするわけではありませんが、上昇が期待できる銘柄には積極的に資金を投じていける環境でしょう」

　では、具体的にどんな銘柄に目を向ければいいのか。10人の億り人たちが厳選した「2025年のイチ押し銘柄」は別掲の表に一覧にしてまとめた。 　2025年の相場の動きに大きな影響を及ぼすと見られているのが、米国のドナルド・トランプ大統領の再登板だ。大学時代から早期に1億円を貯めるために中国株投資を始め、「Yahoo！ファイナンス株価予想達人ランキング」でパフォーマンス第1位を獲得するなどの実績を残してきた戸松信博氏（グローバルリンクアドバイザーズ代表）。現在は日本株や米国株などの投資情報を発信する同氏はこう言う。 「第2次トランプ政権の景気刺激策によって米国経済や株は堅調に上がり続けると見ています。米国が関税を強化する懸念など悪材料はありますが、日本株も基本的には連れ高傾向になって上昇基調になると予想しています」 　そうした追い風を受けやすい銘柄として、リクルートホールディングスを挙げる。 「人事労務の効率化などを進める主力事業のHRテクノロジーは米国での売り上げが大きく、米国経済の活性化の恩恵を受けやすい。そのうえ自社株買いにも積極的で、その規模はトヨタ自動車に次ぐ国内第2位です。自社株買いは1株あたりの利益配分が増えるため、それを見越した買いが入って株価上昇につながる好材料と言えます。自社株買いで期待される銘柄としてはソニーグループも要注目です」（戸松氏） 　資産20億円超の88歳現役トレーダーとして知られるシゲルさんこと藤本茂氏も、トランプ相場に期待を込める。海外売上高比率が8割を占め「円安メリット」を享受できるジーテクト、そして三井物産に注目する。 「『投資の神様』と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が大量保有する5大商社のなかでも三井物産は資源・エネルギー分野に強い。そのため、化石燃料の生産拡大を掲げるトランプ政権の恩恵を受けると見込まれます」