【日本アカデミー賞】『PERFECT DAYS』ヴィム・ヴェンダース、外国籍監督が初受賞
「第47回 日本アカデミー賞」授賞式が8日、東京・グランドプリンスホテル新高輪にて開催され、『PERFECT DAYS』のヴィム・ヴェンダースが最優秀監督賞を受賞した。外国籍の監督として初受賞となった。 【写真】豪華ショット!笑顔でステージに向かう優秀助演女優賞受賞者たち ヴェンダースはドイツ出身の映画監督で、1971年に長編デビュー後、『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』など、数々の傑作を世に送り出し続けている名匠。 日本映画の巨匠、小津安二郎監督に大きな影響を受けたことを公言しており、授賞式で流れたビデオメッセージでは、「この賞を師匠の小津安二郎監督に捧げます」と言い、日本語で「ドウモアリガトウゴザイマス」と喜びを伝えた。 授賞式では、同映画で最優秀主演男優賞を受賞した役所広司が代わりにトロフィーを受け取り、「このトロフィーを受け取ったら本当に喜ぶと思います。日本という国が好きで、日本人が大好きで、この映画がアメリカのアカデミー賞の国際長編映画賞に日本代表として選ばれた時に、自分がドイツ人だから選ばれないんじゃないかと真剣に悩んでおられました。それでも、選んでくれて、エントリーされたことを知ってものすごく喜んでいました。アメリカにいる監督に渡したいと思います」と、葛藤があったこと明かしていた。 『PERFECT DAYS』は日本代表作品としてエントリーされただけなく、受賞候補5作品の1つに残り、現地時間10日夜に開催される「第96回アカデミー賞」授賞式の結果を待つばかりとなっている。映画は、東京・渋谷区のトイレをリノベーションするプロジェクト「THE TOKYO TOILET」を起点とし、そのトイレの清掃員として働く主人公・平山(役所)の日常を描いている。「第76回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に正式出品され、役所が最優秀男優賞を受賞したことも大きな話題となった。 ほかに、是枝裕和(『怪物』)、成田洋一(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)、森達也(『福田村事件』)、山崎貴(『ゴジラ-1.0』)が優秀監督賞を受賞した。