システムも育成要素も原点はファミコン時代…コナミの人気野球ゲーム『パワプロ』のルーツをたどる
大ヒットの野球ゲームといえば、コナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)の『実況パワフルプロ野球』シリーズを思い浮かべる人は多いだろう。今年で30周年を迎える『パワプロ』だが、同社には『プロ野球スピリッツ』シリーズもあるため、“野球ゲーム=コナミ”というイメージすらあるものだ。 ■【画像】「パワプロのルーツがここに!」すでに画面構成が同じ…コナミのファミコン野球ゲーム■ コナミは他社に比べ、野球ゲームへの参入が少々出遅れた印象もあったが、『パワプロ』のルーツは実はファミコン時代までさかのぼる。今回は、家庭用ゲーム機におけるコナミの野球ゲームの歴史を振り返ってみよう。
■初の野球ゲーム参戦はディスクシステム! 育成要素も取り入れた『エキサイティングベースボール』
記念すべき第一作は、1987年12月にディスクシステムで発売された『エキサイティングベースボール』だ。大ヒットとなった『プロ野球ファミリースタジアム』の翌年にリリースされた。 本作の大きな特徴は、後方視点で投球に高低差を付けたところだろう。キャッチャーミットが表示されることで、ほかの野球ゲームよりもストライクゾーンが分かりやすくなっていた。 意味のないところでスライディングをしたり、ボールを追いかける野手がおかしいなどのツッコミどころもあるものの、筆者がプレイした小学生当時は、コンピュータに勝つのに夢中で、そこまで気にならなかった。 また、チームエディット機能が搭載されており、オリジナルチームの選手を成長させ、セーブで残しておけるできる点は当時として非常に画期的だった。ただ、エディットチームを使ったモードでは優勝までの道のりが長かったが……。 それでも、ディスクシステムの特性を活かしたトレードや対戦には燃えたものである。筆者にとっては、ディスクシステムを所有している友人が少なかったというところが唯一の難点だった。 このゲームがファミコンで発売されていたらもっとヒットしたかも……とも思うが、エディット機能でセーブ可能という点はディスクシステムならではの長所。そしてそれは、『パワプロ』に受け継がれていく要素となっていった。