【阪神】「打順の大幅な入れ替えが分岐点だったかもしれない」中軸復調で6連勝中のタイガースを矢野燿大前監督が解説!“神走塁”や『捕手併用』にも言及
”神走塁”を助けた藤本3塁コーチの判断力
―――走った植田選手だけではなく、タッチアップの判断をした藤本コーチもすごいということですね? 「そうですね。12日の中日との試合、近本の内野安打でホームに小幡が帰ってきました。あの走塁、小幡もすごいんですけど、藤本コーチのぐるぐる回す判断力がやっぱりすごい」 ―――放送席から見ていて、藤本コーチが腕を大きく回しているのはわかりましたが、どういった声かけをしているのでしょうか? 「常に前向きな声をかけてます。ランナーから打球が見えない場合、ランナーは3塁コーチを見て走るんですけど、藤本コーチはずっと回してました。相手の守備位置も全部確認しながらという判断力が、この得点になってます」 ―――矢野さんも監督時代、藤本コーチを信頼していたのですね? 「そうですね。藤本コーチは走塁に欠かせないです。僕もかなり助けてもらいました。なかなか点が取れない中で、このようなプレーで勝って、流れを作ることができた。藤本コーチの力は大きいです」 ―――良いシーンが続いているタイガース。引き分けをはさんで6連勝で、首位。さらに、先発陣に勝ち星が付きだしました。先週の試合、本当に投手陣が安定していましたね。 「投手陣がタイガースの何よりの強みで、そこがしっかり仕事をしてくれているので、大丈夫だと思います」 ―――そして中継ぎ陣は、この6試合、無失点でした。 「そうなんです。ここをもっとクローズアップしてほしいところなんですけどね。よく頑張ってます」
投手との相性が大切な捕手起用 しばらくは梅野・坂本が刺激し合い「併用」か
――そして、去年のシーズンでたくさん奪ったフォアボールですが、現在、与えたフォアボールの数がセ・リーグで一番少ないという状況です。これを支えているのが、現役時代の矢野さんのポジションでもあるキャッチャーだと思うのですが、今のタイガースは日替わりでキャッチャーが起用されています。 「去年からの流れもあるので、ピッチャーとの相性をある程度大事にしながらの起用となっていて、今はうまくいっているので、この併用は当分続くかなと思います。どこかで流れが悪くなったときに、『ちょっと変えてみようかな』ということはあると思うんですけど」 ―――キャッチャーの起用を考えるとき、ピッチャーとの相性というところがありますか? 「左投手をリードするのが上手かったりとか、キャッチャーにも特徴があるんですけど、まずは組んでみての相性ですね、それは大きいです」 ―――例えば、村上投手と大竹投手は、去年から坂本捕手とコンビを組んでいます。 「坂本については、際どいコースをストライクにできるキャッチング技術を持っているので、コントロールの良いピッチャーは坂本と組んでいるということかもしれないですね」 ―――今は、セ・リーグのどの球団もキャッチャーを併用していますが、併用について矢野さんはどのように思われますか? 「タイガースでは、梅野の方が実績もありますが、持ってる力は五分五分かなと思います。どちらか1人が抜けると1人になるんですけど、今は併用でいいと思います。梅野と坂本それぞれに良いところがあるので、このまま当分併用でいくんじゃないですかね。2人で刺激し合いながらというのを岡田監督は考えているのではと思います」 (2024年4月22日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)