「円キャリー取引」と「日本株急落」の関係【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
日本株対象外の円キャリーは株安の直接要因ではないが、ある程度は円高を通じた間接要因に
また、円キャリー取引が高金利通貨建て資産への投資を基本とする以上、日本株は投資対象外であり、円キャリー取引の解消は「直接的な株安要因」とはなりません。投機筋が日本株に投資する場合は、ごくシンプルに、金融機関から円を借りて日本株の先物に投資するか、あるいは、ドル円などの為替スワップで円を調達し、日本株の先物に投資する方法が考えられます。 なお、円は主要通貨に対し、昨年末から7月11日まではほぼ全面安、7月11日から8月5日まではほぼ全面高となっており(図表2)、日本株の下落は大幅な円高進行が一因と考えられますが、この円高の進行に、円キャリー取引の解消が、どの程度占めたかを正確に知ることができません。ただ、ある程度の影響を勘案すれば、円キャリー取引は「間接的な株安要因」といえるように思われます。 (2024年8月22日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『「円キャリー取引」と「日本株急落」の関係【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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