沖縄・玉城デニー知事が記者会見(全文1)沖縄の全米軍基地の撤去は求めていない
福祉の課題についての考え方
では時間も少なくなってきましたので、最後に福祉の課題に対する私の考え方をお話ししておきたいと思います。私は全ての人の尊厳を守り、多様性や寛容性を大切にした、誰一人取り残すことのない共生の社会づくりが重要であると考えています。沖縄県は日本全体で少子化が問題となっている中において、子供の生まれる率が全国で最も高い状況が続いています。 しかし、1人当たりの県民所得が全国最下位クラスであり、一人親の世帯が多いことなどから、子供がいる世帯で低所得者層の占める割合が全国で最も高く、深刻な問題となっています。子供の貧困対策を最重要政策に掲げ、貧困の連鎖を断ち切り、全ての子供たちが夢や希望を持って成長していける社会を実現するために力を入れて取り組んでまいります。 また、高齢者や障害を持つ方、生活に困ってらっしゃる方、マイノリティーの方々などの、社会的に弱い立場にある方を含む全ての人が誰一人として取り残されることのない社会こそ、沖縄の人々がもともと持っているチムグクルやユイマール。チムグクルは日本語で言うと真心です。ユイマール。ユイマールは日本語で共生、共に一緒に生きていくということですね。そのようなアイデンティティーに基づいた本来の沖縄の姿であると考えるからです。 さて結びに、私は来週から訪米して米国政府の関係者、連邦議会議員など関係機関の方々、あるいはニューヨーク大学での講演やメディアの取材を通して沖縄県の現状、県民の声、そして私の考えを訴えることとしています。私は選挙のときに、若い人たちに向かって、沖縄の将来を語る上で3つのD、私のデニーのイニシャルのDをもじって政策を語りました。 1つは、誰もが生きていることが認められ、誰もがその権利を保障されているダイバーシティーというDです。そして最も大切なのは、沖縄におけるこれまでの基地問題をはじめとした苦難の生活を乗り越えてきた人々が心から求めていたデモクラシー、民主主義です。そして沖縄はその昔、琉球王国という王国の時代から広く外国とその存在を広げるために外交努力を重ねてきました。今日の沖縄においても、そのディプロマシー、自治体外交を積極的に行っていきたいと考えています。 本当にありがとうございました。お集まりの皆さまにおかれましても、沖縄の現状についてご理解いただき、50年、100年先の沖縄の将来を見据えた新時代沖縄をつくり上げるために、お力添えをいただけますようお願い申し上げます。ご清聴ありがとうございました。イッペーニフェーデービタン、ありがとうございました。 【書き起こし】沖縄・玉城デニー知事が記者会見 全文2に続く