「やっぱり初戦が全て」大事なベトナム戦でゴールマウスを守るのは――気力充実の鈴木彩艶「1人でも甘い気持ちを持ってはいけない」
「カウンターは特に気をつけたい」
決して簡単ではない環境下で鈴木が数々の難局を乗り越え、タイトルを掴み取れば、大きなステップになるのは間違いないのだ。 「ゴールキーパーである以上、どの試合であろうとゼロに抑えたいのが正直なところ。でもアジアの大会だからこそ、事故からの失点というのがあったりする。そこでいかに準備して対応していくかが大事になってきますね。 失点すると難しくなるのはアジアカップでもあると思う。攻撃の時間が長くなるでしょうけど、自分としては集中力を切らさずに行きたいです」と、鈴木は頭をクリアにして大会に突き進む構えだ。 特に初戦の入りは重要になる。どんなトーナメントでも良いスタートを切れれば、勢いに乗れるからだ。A代表でこれほど大きな公式戦を戦うのが初めてという鈴木にしてみれば、普段以上に気を引き締めて挑むことが肝要だろう。 「やっぱり初戦が全てと言っても過言ではないかなと。レベル的にみたら日本のほうが上なんでしょうけど、相手も一発目に賭ける思いは強い。誰か1人でも甘い気持ちを持つようなことがあってはいけないと思います。 ベトナムの試合も見ましたけど、意外とつないでくるサッカーをしていましたね。ただ、アジアの大会は裏への一発のボールで事故が起きることもある。カウンターは特に気をつけたいです。あと2日ありますけど、良いパフォーマンスができるように準備したいです」 鈴木は警戒心を募らせたが、ベトナムの指揮官は2002年の日韓ワールドカップで日本を率いたフィリップ・トルシエ監督だ。目下、トルシエ体制のベトナム代表は歯車がかみ合っておらず、指揮官も解任危機に瀕していると言われるが、だからこそ、日本から金星を挙げようと秘策を講じてくるに違いない。 経験不足の鈴木が狙われないとも限らない。そこで相手を一蹴し、日本の正守護神として堂々たる仕事ぶりを見せられれば、彼自身もより自信を持って、その後の試合で本来のパフォーマンスを発揮できるはずだ。 ベトナム戦は鈴木のA代表キャリアを左右する重要マッチになるかもしれない。そういう意味でも、規格外の成長株の一挙手一投足から目が離せない。 取材・文●元川悦子(フリーライター)
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