インドネシア「南シナ海で中国の主張認めず」、開発協定には調印
Stanley Widianto [ジャカルタ 11日 ロイター] - インドネシア政府は11日、中国と共同海洋開発協定に調印したにもかかわらず、南シナ海における中国の主張を認めていないと表明した。一部アナリストは同協定がインドネシアの主権的権利を損なう恐れがあると警告している。 南シナ海における中国との協定は長年にわたって敏感な問題だ。同国の広大な領有権主張を正当化するものと解釈されることを恐れ、一部の領有権主張国は協定を結ぶことを警戒している。 インドネシアのプラボウォ大統領が中国を訪問した週末に発表された共同声明は「(両国は)主張が重複するエリアにおける共同開発について重要な共通認識に達した」としている。 インドネシア外務省はこれまで、南シナ海で中国と管轄権はかぶっていないと繰り返し主張している。 同省は11日、その立場に変わりはなく、協定は自国の主権的権利に何の影響も与えないと説明。「インドネシアはこれらの(中国の)主張には国際的な法的根拠がないという立場を改めて表明する」とし、「今回のパートナーシップは北ナトゥナ海における主権、主権的権利、インドネシアの管轄権に影響を与えるものではない」とした。 中国外務省からはインドネシアの声明に対するコメントを得られていない。 インドネシア外務省は、中国との海洋問題に関する経済協定には漁業と魚の保護も含まれ、平和と友好を守るモデルになることを望んでいるとしている。 しかし、一部のインドネシア人アナリストは、スタンスの変化と解釈される可能性があると指摘。海事アナリストのアリスティヨ・リズカ・ダルマワン氏は「公式の共同声明に言及するならば、主張の重複をわれわれが認めていることを意味する」と述べ、排他的経済水域(EEZ)内の資源を開発するインドネシアの主権的権利が損なわれる可能性があると付け加えた。