2イーグル奪取で永野竜太郎が2位浮上 “PGAツアー勢2人”との最終組入りも「相手がどうとかはあまり…」
<ダンロップフェニックス 3日目◇16日◇フェニックスカントリークラブ (宮崎県)◇7042ヤード・パー71> 松山英樹が“くるりんぱ”【写真】 昨年の海外メジャー「全米オープン」では日本勢トップの20位タイに入った永野竜太郎に、再び“米国勢”と勝負をする日がやってきた。3日目に2イーグル・3バーディでボギーなしの「64」をマークし、トータル14アンダーの2位に浮上。今年の国内ツアー「ANAオープン」以来となる最終日最終組で戦う。 1番からスタートし、2番でバーディが先行。そして、まず4番パー5で、257ヤードの2打目を3番ウッドで2メートルにつけると、これを1パットで沈めイーグルを奪った。その後も2つ伸ばして迎えた最終18番。245ヤードの2打目を再び3番ウッドで3メートルにつけてイーグルで締めくくった。朝から雨が降る、悪コンディションのなかボギーなしの7アンダーをたたき出した。 「もちろん充実したラウンドにはなりましたけど、そんなにめちゃくちゃ入ったとかいう感じではなくて、2つのイーグルがラッキーだった」と冷静に振り返る。「3番ウッドでは大きいと思ったんですけどね…」。晴れた日であれば選ばないクラブだが、雨の影響で飛距離が落ちることを考慮し選択した結果がビッグプレーにつながった。 「全体的にきょうは自分が思った距離よりも若干飛んでないところもあった。奥ピンだったので、手前よりは奥まで行こうという仕方ない気持ちで打った。結果的にすごいミスショットで思ったような球ではなかったんですけど、上手くグリーンキャッチしてくれて、転がってくれました」。満足いくショットではなかったようだが、結果的に上位に浮上する大きな要因になった。 今年はこれまで20試合に出場し、予選落ちが10回、トップ10入りはANAオープンの2位タイのみだ。現在賞金ランキングは36位。最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は今年のトーナメント覇者、次戦の「カシオワールドオープン」終了時点での上位20位の選手…など、エリートメンバーだけが出場できるメジャー大会とあって、今季未勝利で現在のランキングでは出場資格が得られない。 「もちろんJTには出たいですし、“あと1試合”よりも“あと2試合”やりたいので、そこは目指していきたいです。でも自分が満足して終われるシーズンにしたいので、残りの試合を頑張りたい」。今週含めた残り2試合が正念場だ。 相手に不足はない。最終日を単独首位で迎えるのは、今季、米国男子下部のコーンフェリー・ツアーで2勝を挙げているPGAツアーメンバーのマックス・マクグリービー(米国)。トータル20アンダーで永野との差は6打ある。「それだけ向こうが実力があるということじゃないですか」と警戒を強める。そして、もうひとりの同伴競技者は松山英樹だ。 6打差を縮めて少しでも近づきたいところだが、本人は「“追いつくぞ”という気持ちも全然ない。自分は自分なので」ときっぱり。「自分が充実してラウンドできるかどうかなので。相手がどうとかはあまり考えていない」と気負うことなく、自身のプレーだけに集中していく。自身のプレースタイルを徹底し、どこまで駆け上がれるか期待が高まる。(文・高木彩音)