UACJ、30年度に再生アルミ原料比率80%目指す。19年度比で8割増
UACJは7日、オンラインで開催したESG説明会で、アルミリサイクルのさらなる強化に取り組む方針を示した。缶材における使用済みアルミ缶(UBC)の使用率を2030年度に19年度比で8割増を目指す。また循環アルミ(再生アルミ原料)の使用率〝UACJリサイクル率〟を定義し、30年度に80%(19年度は65%)まで高め、新地金使用量の削減を図る。 UBCの活用量では、19年度に比べて22年度は2割増を達成した。30年度に向けては福井製造所に導入予定のUBC処理設備の活用や、タイ拠点に新設を進めるスクラップ溶解炉、米国拠点のシュレッダーラインの能力向上を進める。 これにより30年度の使用量は19年度比で8割増とする考え。 独自に定義したUACJリサイクル率は、UACJグループの主要拠点(UACJ名古屋製造所・UACJ福井製造所・UACJ深谷製造所・UACJ押出加工名古屋名古屋製作所・UACJ押出加工小山・UACJタイランド)における溶解炉への総投入量に占める循環アルミの量(製造業の素材加工段階で発生するスクラップ+使用済み製品に由来するスクラップ+社内発生スクラップ)を示したもの。明確な目標値を掲げてサーキュラーエコノミーの実現を図るもので、19年度に65%だった比率を30年度には80%まで引き上げる考え。 このほか説明会ではマテリアリティの見直しも実施。環境分野では〝気候変動への対応〟に〝「アルミニウムの循環型社会」のけん引(サーキュラーエコノミー)〟、〝自然の保全と再生・創出(ネイチャーポジティブ)〟を加えた。また社会・経済分野では人権の配慮を人権の尊重へ、多様性と機会均等を多様性と機会均等への浸透にそれぞれアップグレードした。 今回の公表を経て、24年5月のIRデーにアクションプランを公表する予定。