センバツ2023 2回戦 広陵 打線好調で快勝 継投奏功 二松学舎大付を零封 /広島
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第3日の20日、広陵は2回戦で二松学舎大付(東京)と対戦し、5―0で快勝した。打線は12安打と好調で、先発・高尾響(2年)は8回を5安打に抑えて左腕の倉重聡(3年)につなぎ、2年連続26回目出場の初戦を零封で飾った。3回戦は第8日第3試合(25日午後2時)で海星(長崎)と戦う。【安徳祐、福原英信】 先制のホームは一回、四球で出た1番・田上夏衣(かい)(3年)が踏んだ。1死一、三塁から、小林隼翔(はやか)(3年)の遊ゴロの間に還ると、アルプススタンドの応援席から歓声が上がった。田上の父純希さん(48)は「得点につながってよかった。頼もしく成長してくれた」と目を細めた。 五回は打線がつながった。田上が右二塁打で好機を作ると、3番・真鍋慧(けいた)(3年)が外角高めの直球を左適時打。「少し詰まったが良い形で打てた」と振り返った。 続く4番・小林は左適時二塁打で追加点を挙げた。小林の二塁打をアルプス最前列で見ていた中川将心さんは「癖が直って、すごく成長した。良いヒットだった」と褒めた。中川さんは今春卒業した野球部員。昨夏以降、1年後輩の小林の自主練習に付き合い、肩が下がるバッティングの癖を見つけて一緒に直した。 さらに5番・只石貫太(2年)も左適時二塁打。甘く入った直球を逃さず「完璧」に芯に捉えたといい、主軸の役割をきっちり果たした。 広陵の応援席には田辺昌彦副知事も駆け付け、頼もしい戦いぶりを見守った。「足が地に着いたプレーをしていて、中国地区大会に比べて成長している」と太鼓判を押した。 先発の高尾は崩れることなく8回113球を投げ、九回は倉重が抑えた。 高尾の父大輔さん(48)は「うれしいです。(次戦以降も)甲子園を楽しんでほしい」とエールを送った。 ……………………………………………………………………………………………………… ■熱球 ◇146キロエースの「帰還」 高尾響投手(2年) エースが帰ってきた。得意の直球は回を重ねるごとに「ギアが上がり」後半は146キロを記録。新たに習得したスプリットも披露し、二松学舎大付の強力打線を5安打に封じ本塁を踏ませなかった。 昨秋の県大会後に右足を疲労骨折した。明治神宮大会で復帰したものの感覚はなかなか戻らず、自己評価は「60点」と納得しなかった。 「徹底して低めを突くため」に冬の間はショートバウンドするよう投げ込んだ。合間の筋トレで握力は50キロから57キロに強化。球速は最速147キロに上がった。 1万6000人の観衆の前でも「そこまで緊張しなかった」と頼もしい。「楽しそうに投げてくれた」と中井監督。次の登板が楽しみだ。