<9年ぶりの春―鳴門>第94回選抜高校野球 練習風景から 雨…高架は僕らの味方 /徳島
「ウシッ!」。二人一組になり、細い坂道を駆け上る。グラウンドのすぐそばに走る高速道路の高架下は、雨の日の練習場所だ。OBの福本学コーチ(50)は「僕らが現役の頃から、この道にお世話になっている」と懐かしむ。 設備の整った私立校と違い、鳴門には天候不良の際に素振りをしたり、走り込んだりする場所がない。高架下の狭い空間を利用して、一列になって300回の素振りをこなし、約30メートルの坂を順番に20~30本ダッシュする。「雨の日も練習できてありがたい」。甲子園に出発する前日の18日も、選手たちは冷たい雨が横から降り込む中、懸命にバットを振っていた。【国本ようこ】=おわり