AIのアンソロピック、iPhoneアプリ投入-どこでも「クロード」現実に
(ブルームバーグ): 人工知能(AI)スタートアップ企業の米アンソロピックは、同社初のスマートフォンアプリを発表。対話型AI「クロード」をどこでも使えるようにする戦略を強化した。
同社によると、アップルの「iPhone」に対応したアプリはクロードの無料ユーザーと有料ユーザーが使用可能で、チャットはウェブベースのチャットボットで行われたものと同期される。このアプリはまた、ユーザーが撮影した写真などの画像を分析することも可能で、チャットボットは画像認識のようなタスクを実行できるようになる。
サンフランシスコに本社を置くアンソロピックは、2021年にダニエラ・アモデイ社長と兄のダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)が創業。安全で責任あるAI開発を強調する同社は、数十億ドル規模の投資を集め、オープンAIに対抗できるライバルと目されている。医薬品メーカーのファイザーから対話型検索エンジンのパープレキシティAIに至るまで、法人顧客も増えている。
人間の会話を模倣できるチャットボットはますますシリコンバレー企業の注目を集めている。2022年終盤にオープンAIが「ChatGPT(チャットGPT)」をリリースして以来、急速な技術進歩が投資家の熱気をあおっている。チャットボット自体は決して新しいものではないが、クロードや競合他社のボットを動かしている大規模言語モデル(LLM)は大量の情報でトレーニングされ、質問への回答から詩の創作に至るまでより高度のタスクが可能な強力なツールとして知られるようになった。
ただしこの技術にも欠点がある。例えばチャットボットは事実と異なる情報を生成する傾向があり、この現象はハルシネーション(幻覚)と呼ばれている。
原題:AI Startup Anthropic Debuts Claude Chatbot as an iPhone App(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Rachel Metz