沖縄県が見解「現場は歩道とも車道とも言い切れない」辺野古抗議活動制止の警備員死亡事故
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、沖縄県は1日、産経新聞の取材に対し、名護市安和の事故現場は「歩道とも車道とも言い切れない」との見解を明らかにした。路側帯と車道を区画する「車道外側線」のように見える白線が6年前、事故現場付近に引かれていたことも新たに分かった。 現場は辺野古移設工事に使う土砂を搬出する安和港近くの桟橋と国道をつなぐ車両乗り入れ部。地元では「乗り入れ部は歩行者を優先する『歩道』というのが県の認識だ」との報道もあったが、県は「道路管理者として、歩道とも車道とも言い切れない」とした。 車両乗り入れ部は、縁石の一部を下げて段差を小さくした「切り下げ」と、車道の路面が連続している「切り開き」の2種類があり、現場は後者に該当するという。 男性警備員=当時(47)=と抗議活動中の70代の女性がダンプカーに巻き込まれた場所は、国道の車道外側線にほぼつながるように引かれた白線の内側だった。 県北部土木事務所によると、車道外側線はもともと国道に沿って直線に引かれていたが、平成30年に車両乗り入れ部に向かって引き直された。白線は国道の車道外側線とほぼつながっており、2人がダンプカーに巻き込まれた場所は一見すると車道のようにも見える。 ただ、車両乗り入れ部に引かれた白線が車道外側線を示すものかどうかは分かっていない。県北部土木事務所は「車両乗り入れ部を分かりやすくするため、平成30年に外側線を変更したものと考えている」と説明した。白線が引き直された経緯を調べているという。