いま注目されている新たな投資の選択肢 J-REITとは?
2016年は金融、株式市場などの大荒れで波乱の幕開けとなりました。さらに1月の金融政策決定会合で、日本銀行がマイナス金利を導入を受け、今まで投資になじみのなかった人も積極的な資産運用に興味を示しています。 20年の東京オリンピック開催を受け、にわかに活況なのが不動産投資。中でも小口の投資ができる不動産投資信託(REIT)が注目を集めています。この連載ではJ-REITを中心に今さら聞けない基本から応用までを、不動産金融ビジネスに詳しいミリタス・フィナンシャル・コンサルティングの田渕直也さんが解説していきます。
資産形成の新たな選択肢J-REIT
こんにちは。このコーナーでは、全8回の予定で、J-REITとは何か、マンション投資や株式投資とどう違うのかについて解説していきたいと思います。 J-REIT(ジェイ・リート)は、日本(Japan)版の不動産投資信託(Real Estate Investment Trusts)ということから名づけられた略称です。一言でいえば、大勢の一般投資家が小口から投資できるように設計された投資信託という制度を使って、誰でも簡単に不動産に投資できるようにした金融商品ということになります。 不動産は、 ・定期的にキャッシュフロー収入が見込める ・インフレに強く長期的な資産形成に適している などの特徴を持つ重要なアセットクラス(投資対象となる資産の種類)のひとつです。しかしながら、一般に1件当たりの投資金額が大きく、かなりまとまった金額を用意しないと複数の物件に分散して投資することができません。また、投資に当たっては、デューデリジェンスという専門的で面倒な査定をしなければ不動産価値の適正な評価ができず、一般の投資家が投資をするには大きなハードルが横たわります。J-REITは、まさにそうしたハードルを取り除いて、不動産を一般投資家にも手軽に投資できるようにしたものなのです。 ですから、J-REITの仕組みや特徴を理解することは、資産形成の選択肢を新たに広げることにつながります。