性犯罪容疑の米兵検挙、再び広がる反発 玉城知事「根本的な協議を」
沖縄県で女性に性的暴行を加えたとして米海兵隊員の男が不同意性交致傷の疑いで書類送検された事件を受け、地元で反発が広がっている。玉城デニー知事は10日から予定していた訪米を取りやめ、米軍への抗議など事件に対応する考えだ。 【写真】性暴力から守られない私たちの暮らし 米兵判決を機に考える社会構造 県警によると、事件は昨年11月に発生。沖縄本島内の建物の一室で面識のない成人女性に性的暴行を加え、けがを負わせた疑いがあるとして、8日に在沖海兵隊員の30代の男を那覇地検に書類送検した。 県内では昨年6月以降、米軍関係者による女性や子どもへの性暴力事件が相次ぎ発覚。玉城知事はこの時も在沖米空軍の司令官に抗議したほか、昨年9月には訪米して、米国務省や国防総省の高官らに実効性のある再発防止策をとるよう直接求めたばかりだった。 にもかかわらず、また事件が発生した。玉城知事は米国の県人会などを訪問する予定だったが、ロサンゼルスの山火事に配慮して中止を決定。沖縄に戻って米軍や外務省、防衛省の関係者を県庁に呼び、再び抗議することなどを検討するという。9日、都内で記者団に「本当にもう怒り心頭だ。米軍の再発防止策の実効性に強い疑念を持たざるを得ない。どうすればこの問題が解決できるのか。(米軍などとの)根本的な協議が必要だ」と述べた。
朝日新聞社