【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第2回 仕事が殺到する人・しない人の違いは?
■覚悟を決めれば、たいていのことはできる(里崎) ――「ロッテだから今のキャラになった」といっても、それ以前も、その後も、ロッテ出身者で里崎さんのようなキャラクターは生まれていません。やっぱり、里崎さんが独自の個性を持っていたんじゃないですか? 里崎 いやいや、ただ単に他の人は僕みたいに、「有名になりたい」という野心がないだけですよ。だって、僕がしてきたことは誰だってできることだから。特殊能力なんて何もいらないんだから。 五十嵐 でも、ファンの前で歌を歌ったりダンスを踊ったり、積極的にメディアに出て行ったりするのは、まあまあ特殊能力だと思うけどな。 里崎 いきなり「英語をしゃべれ」と言われたら、それはできないけど、歌を歌うぐらいなら誰だってできるじゃん。全然、特殊能力じゃないでしょ。 五十嵐 歌を歌うことはできるけど、やっぱり恥ずかしさとか照れがあるから。 里崎 それは能力の問題じゃなくて、羞恥心の問題だから。「やるか、やらないか?」という覚悟の問題で、能力の問題じゃない。能力の問題ならできないこともあるけど、覚悟の問題なら、たいていのことはできるよ。 五十嵐 「羞恥心を捨てる」とか「覚悟を決める」というのも、誰にでもできることじゃないし、サトさんならではの特殊能力だと思うけど......やっぱり、サトさんはそもそも頭がいいし、努力する才能もあるということも大きいと思いますよ。 里崎 僕の場合は、現役時代にボビー・バレンタインがロッテの監督に就任して、積極的にファンサービスに取り組んだことや、同時期にチームが強くなって日本一になったこと。あるいは、城島健司がメジャーに行くことが決まって、僕に日本代表入りのチャンスがめぐってきて、WBCで世界一になって大会ベストナインに選ばれたことなど、奇跡的に運がめぐってきたということも大きかったよね。 五十嵐 でもさ、運をつかむのも一種の能力だと思うんです。僕も自分のことを「人の縁に恵まれた運がいい人間だ」と考えているけど、サトさんには運をつかむ能力もあったということなんじゃないかと。 ――お話が白熱してきましたが、時間となってしまいました。ぜひ次回は「運のいい人、悪い人とは?」というテーマで、この続きをお話しください。 里崎・五十嵐 ホントに時間が経つのはあっという間だね(笑)。では、また次回! (連載第3回に続く) 【プロフィール】●里崎智也(さとざき・ともや) 1976年5月20日生まれ、徳島県出身。鳴門工(現鳴門渦潮)、帝京大を経て1998年のドラフト2位でロッテに入団。正捕手として2005年のリーグ優勝と日本一、2010年の日本一に導いた。日本代表としても、2006年WBCの優勝に貢献し、2008年の北京五輪に出場。2014年に現役を引退したあとは解説者のほか、YouTubeチャンネルなど幅広く活躍している。公式YouTubeチャンネル『Satozaki Channel』 ●五十嵐亮太(いがらし・りょうた) 1979年5月28日生まれ、北海道出身。1997年ドラフト2位でヤクルトに入団し、2004年には当時の日本人最速タイ記録となる158キロもマークするなど、リリーフとして活躍。その後、ニューヨーク・メッツなどMLBでもプレーし、帰国後はソフトバンクに入団。最後は古巣・ヤクルトで日米通算900試合登板を達成し、2020年シーズンをもって引退した。現在はスポーツコメンテーターや解説として活躍している。 構成/長谷川晶一 撮影/熊谷 貫