2軍落ち避けられない“大乱調”阪神の藤浪を再生させる手段はあるのか?
阪神の藤浪晋太郎(24)が20日、甲子園で行われた巨人戦で今季4度目の先発マウンドに立ったが、5回で120球を投げ9安打を打たれ6失点。毎回の6四球の大乱調でゲームを壊した。試合後、金本監督は明言を避けたが、投げてみなければわからないという安定感の無さでは、ローテーをキープするのは難しく藤浪の2軍落ちは避けられない状況となった。昨年5月4日のヤクルト戦以来、遠ざかっている白星。藤浪再生の手立てはないのだろうか? 天使か悪魔か。藤浪が2つの顔を交互にさらけだす。毎回の6四球に毎回の10奪三振。あまりに極端だ。「見ての通り。悪いところが出た」との金本監督の試合後の談話がすべてを物語る。 立ち上がりから先頭の坂本勇人を四球で歩かせたが、ゲレーロを外のカットボール、マギーも同じくカットで連続三振。2回も、また先頭の岡本和真にストレートの四球を与え、亀井善行にセンター前でつながれて無死一、二塁となったが、その荒れ球が功を奏す。立岡宗一郎にはバントをさせず、最後はボール球を振らせてここでも三振。だが、あっさりと続く小林誠司にライト前へタイムリーを許して先取点を失う。 3回には、先頭の吉川尚輝にバントで揺さぶられた。 一塁方向へ転がったゴロをなんと藤浪は下からトス。緩やかな送球は吉川の足には勝てなかった。普通に打球処理をしていればアウトだったが、ゴロ処理の送球に“イップス”の気のある藤浪は投げれないのだ。 金本監督が「全員にバントされればみんなセーフになる」と指摘したことがあるが、その欠点をつかれた。 続くゲレーロにも四球でピンチを広げたが、力で封じ込めて、ここは無失点で切り抜けた。再び“悪魔”の藤浪が顔を出したのは4回だった。 また先頭の小林に変化球を軽打され無死一塁。そして、続く投手の菅野智之にはバントの構えをされるとストライクが入らなくなった。カウント2-1から抜けたボールが菅野の頭部を襲う。菅野は転倒して避けたが、梅野隆太郎はミットに当てながら後逸し、難なく走者が二塁へ。続く5球目は、ストライクゾーンにいったが、バントがファウルになる。6球目は投げた瞬間、それとわかるようなアウトコースに外れるボールとなり歩かせてしまったのである。もうノックアウト寸前だった。 坂本には、アンラッキーなライト前へのポテンヒットを打たれ、無死満塁。吉川には、甘いストレートを投じて一、二塁間を破られた。ゲレーロは、一塁正面へのゴロに打ち取ったが、ロサレスが、回転のある打球を止めることができず(記録は二塁打)4失点目。 試合後、金本監督が「あれだけボール、ボールだと野手もゆるむし、ブルペンも毎回つくらんといけないし大変」と振り返ったが、ロサリオのミスも藤浪の投球にリズムがない影響だったのか。 「リリーフのことも考えて」(金本監督)と5回も続投させ、無死一塁から小林にバントの構えをされると、またストライクが入らずにストレートの四球。ストライクゾーンが狭く感じて“当てたらどうしよう”という意識が働くのだろうか。一死二、三塁となってから坂本には、もう球数が100球を超えて球威のなくなっている高めのボール球をセンターへ返されて6失点目。巨人のエース菅野に対し致命的なスコアでゲームを作ることができなかった。 完投した菅野は、「味方にたくさん点を取ってもらったので余裕を持って投げれました」とのコメント。まだ自信をつかみかねていたライバルチームのエースに余裕を与えてしまったのである。 さて、藤浪につける“薬”があるのか?という問題である。 元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏はフォーム改造を提唱する。